Charles Schwabの暗号資産リサーチ責任者を務めるジム・ペライオリ氏が、XRPLの役割が変わりつつあるとの見方を示した。決済用途を主軸としてきたブロックチェーンから、ステーブルコイン取引の基盤へと重心を移しているという。6月にはRLUSDの供給量でXRPLがEthereumを上回り、この変化を裏付けた。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」が11日付で報じたところによると、ペライオリ氏はポッドキャスト「Thinking Crypto」に出演し、暗号資産業界の再編が進む中で主要チェーンは用途ごとの分化が進むと分析した。
同氏は「それぞれのネットワークは固有の役割を見いだしていく」と述べ、Ethereum、Solana、Tron、XRPLを例示した。Ethereumについては、現実資産のトークン化(RWA)を含む幅広い用途を担うスマートコントラクト基盤として優位性を保っていると評価。Solanaは高い処理性能を背景に、活発な売買が求められる領域に適した構造だとした。Tronはステーブルコインに特化したネットワークと位置付けたうえで、XRPLについては「決済ネットワークの一種から、ステーブルコイン取引ネットワークへ移行しつつある」と指摘した。
この見方は、RLUSDの供給動向にも表れている。6月時点でXRPL上のRLUSD供給量は約8億1800万ドルとなり、Ethereum上の約7億9310万ドルをわずかに上回った。RLUSDは2024年12月の提供開始当初、供給の大半がEthereumに偏っていたが、その後はXRPLでの発行が増加。一方でEthereumでは償還が膨らみ、構成比が逆転した。
その結果、XRPLは現在、RLUSDの供給量で最大の比率を占めるネットワークとなっている。ペライオリ氏が示した「ステーブルコイン中心へのシフト」が、供給データでも確認された形だ。
同氏はまた、金融業界が用途ごとに複数のチェーンを試している点にも言及した。米証券保管振替機関のDTCCがStellarを含む複数のブロックチェーンネットワークと連携している事例を挙げ、金融機関は単一チェーンに機能を集約するのではなく、用途に応じて異なるネットワークを使い分けようとしていると説明した。
ブロックチェーン市場の構造については、最終的に少数のレイヤー1(L1)へ収れんしていくとの見方を示した。一方で、すべてのアプリケーションを単一チェーンが支配する可能性は低いとも指摘した。時間の経過とともに20前後の有力L1が残る可能性はあるが、産業活動の大半は上位3〜4ネットワークに集中する公算が大きいとみている。
こうした流れは、インターネット黎明期の競争構造にも似ているという。検索エンジンなどで多くの競合が乱立した後、時間の経過とともに少数の事業者へシェアが集約したのと同様に、暗号資産市場でも統合が進んでいるとの認識を示した。一部ネットワークがシェアを広げる一方、別のネットワークは利用や流動性を十分に集められていないとした。
足元の市況低迷についても見解を示した。ペライオリ氏は、市場の冷え込みは痛みを伴うものの必要なプロセスでもあり、過度なレバレッジを解消し、資本をより強固な長期成長分野へ振り向ける役割を果たすと述べた。ネットワークの差別化と市場再編が同時進行する中、XRPLがステーブルコイン取引インフラとして存在感を一段と高められるかが今後の焦点となりそうだ。