画像=OpenAI

OpenAIは8月13日、企業顧客のAI利用動向をまとめた「Enterprise Signals」レポートを公表した。企業の出力トークン全体の64%をCodexが占め、AI活用が進む上位10%の「フロンティア企業」では、アクティブユーザー1人当たりの出力トークンが一般企業の8.3倍に達した。

同社は、Codexのトークンをエージェント型AIの利用度を測る指標として位置付ける。ChatGPTが主に質問応答やアイデア出しに使われるのに対し、Codexなどのエージェント型AIは、コンピュータや各種ツールを操作しながら、情報収集やファイル修正、複数工程にまたがる業務の実行を担うと説明した。

OpenAIは、こうした傾向から企業のAI活用が「支援(assistance)」から、業務そのものを任せる「委任(delegation)」へ移行していると分析する。複雑で長時間に及ぶ業務をエージェントに委ねるほど、必要な計算量やトークン消費が増えることも、Codex利用の拡大につながったとしている。

企業間の活用格差も広がっている。OpenAIは毎月、アクティブユーザー1人当たりの出力トークンを基準に、上位10%をフロンティア企業、45〜55パーセンタイルの企業群を一般企業として分類した。

6月時点で、フロンティア企業の1人当たり出力トークンは一般企業の8.3倍となった。1月時点の2.6倍から、5カ月で差が大きく広がった。

業種別では、情報技術分野の格差が11.7倍で最も大きく、製造業でも5.3倍の差があった。一方、一般企業のAI利用の増加幅は、業種別で1.9〜2.8倍にとどまった。

エージェント型AIの活用は、開発者以外の職種にも広がっている。2月以降、企業内のCodexの週次アクティブユーザーは、法務で108倍、営業と採用でそれぞれ41倍、マーケティングで26倍に増えた。同期間のエンジニアリング分野は5倍だった。

OpenAIは、ソフトウェア開発分野がAIエージェント導入の先行役だった一方、足元で最も急速に利用者が増えているのは、より広い知識労働者層だとしている。

1,000万件超の企業メッセージを分析したところ、エージェント型AIに関するメッセージの約75%は、コーディングとシステム・エージェント運用関連業務が占めた。システム・エージェント運用関連メッセージの比率は、採用が32%、営業が26%、ポリシー関連が25%、コミュニケーションが24%で、非開発職でも高い水準だった。

高度機能の利用状況でも差が出た。フロンティア企業では、週次アクティブユーザーの21%がプラグインを利用しており、一般企業の9%を大きく上回った。業務手順などを再利用できる「Skills」の利用率も、フロンティア企業が19%、一般企業が3%で、6倍超の開きがあった。

OpenAIは、AIエージェントが実務を担うには、企業データや業務文脈、外部ツールへのアクセスが欠かせないと指摘する。活用度を左右するのはモデル性能だけでなく、企業が業務環境やツールをどこまでエージェントに接続しているかだと分析した。

もっとも、同社はトークン使用量が企業のAI活用価値を直接示す指標ではないとも説明する。短い応答でも高い価値を生む場合があり、長い応答がそのまま価値の大きさを意味するわけではないためだ。今回の指標は、従業員がAIにどの程度深く、複雑な業務を委ねているかを測る目的で用いたとしている。

今回のEnterprise Signalsは、OpenAIのグローバル企業顧客による利用データを匿名化・集計したうえで作成された。メッセージ内容の分類は自動化システムで行い、OpenAIの従業員が顧客メッセージを直接閲覧していないという。

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