ビットコインのマイニング 写真=Shutterstock

リップルのベテラン開発者で、XRP Ledger(XRPL)の設計者として知られるデイビッド・シュワルツ氏が、BIP-110の有効化失敗を受けて発生したビットコインのチェーン分岐を巡り、Bitcoin Knotsの説明に異議を唱えた。今回の事態を「ビットコインネットワークへの攻撃」と表現するのは不適切で、実際にはBIP-110を適用した少数ノードがメインチェーンから分離した事象だと指摘している。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが現地時間11日に報じたところによると、シュワルツ氏はX(旧Twitter)への投稿で、Bitcoin Knotsの見解を名指しで批判した。

問題となっているのは、Bitcoin Knotsがソフトフォークとして推進していたBIP-110だ。BIP-110を強制する設定の一部ノードは、提案の有効化に失敗した後も関連ルールを適用し続け、結果として、多数のマイナーが支持するビットコインのメインチェーンとは別のチェーンを形成したという。

これに先立ち、Bitcoin Knotsのアカウントは、ビットコインネットワークが攻撃を受けていると主張し、ブロック生成速度が大幅に低下していると警告した。あわせて、ユーザーに対しソフトウェアをダウングレードしないことや、Bitcoin Knotsが安全ではないと判断した別のノード実装へ移行しないことを呼びかけた。

ただ、ビットコインコミュニティでは異なる見方が示されている。外部からの攻撃でネットワーク全体に障害が生じたのではなく、BIP-110を強制した少数ノードがメインチェーンから外れた結果だ、という説明だ。

分岐はブロック961,632で発生したとされる。その後、BIP-110適用側のチェーンはマイナーの支持をほとんど得られず、メインチェーンとの差が急速に拡大した。通常のビットコインチェーンがブロック961,681まで進んだ時点でも、BIP-110を強制するノードが追随したチェーンはブロック961,633にとどまったという。メインチェーンが数十ブロックを積み上げる間、分岐先のチェーンは事実上停滞した格好だ。

ブロック生成間隔の差も大きかった。ビットコインでは平均約10分ごとにブロックが生成されるが、BIP-110適用側のチェーンでは生成間隔が数時間にまで伸びたとされる。マイニング能力の裏付けが極めて限定的だったことを示す動きといえる。

現時点では、多数のマイナーとノードが追随するメインチェーンが通常通りブロック生成を続けている。今回の分岐は、ビットコインネットワーク全体への攻撃による障害というより、特定ルールを適用した少数ノードが多数派のルールから外れたことで生じた事象とみられる。

それでもBitcoin Knots側は従来の立場を維持している。プロジェクトは、ソフトウェアをダウングレードしたユーザーに対し最新バージョンへ再度アップグレードするよう勧告したうえで、影響を受けたチェーンの状態を復旧するための緩和策を準備していると明らかにした。

またBitcoin Knotsは、新たなプルーフ・オブ・ワーク(PoW)アルゴリズムを決定論的な乱数手続きで選定する計画も示した。分岐したチェーンの持続性と安全性を確保するための対応策としている。

今回の論点は、ビットコインネットワーク自体が停止または損傷したかどうかというより、特定のソフトフォーク提案を適用した少数ノードの分離をどう位置付けるかにある。

今後は、Bitcoin Knotsが準備している分岐チェーンの復旧策が実際に機能するかが焦点となる。決定論的な乱数方式によるPoWアルゴリズム選定が、チェーン維持と安全性にどのような影響を与えるかも注目される。

シュワルツ氏はXで「自分たちを恥さらしにしたいのか、それとも文脈を理解しない人たちを誤導したいのか。BIP-110をどう評価するにせよ、こんなナンセンスは非難されるべきだ」と投稿した。

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