Ethereumレイヤー2のWorld Chainは、EIP-7928に基づくブロックレベルアクセスリスト(BAL)を8月17日にメインネットへ導入する。Flashblocks上でフルBALをストリーミング配信する初の商用レイヤー2ブロックチェーンになるとしており、検証の並列化を通じて最大1ギガガス/秒級の処理能力を目指す。
World Chainは、共同創業者の1人であるサム・アルトマン氏が関わるプロジェクトだ。今回導入する機能は、FlashbotsがOP Stack向けのRollup-Boostを拡張して開発した「Flashblocks」と組み合わせて運用する。Flashblocksは、ブロックチェーンの低遅延化を図る仕組みだ。
通常、ブロックチェーンはブロック全体の生成が完了した後にネットワークへ公開される。OptimismやBase、World ChainなどのOP Stack系レイヤー2では、1ブロックの生成に通常2秒程度かかるため、その間は利用者が取引の処理状況を把握しにくい。
これに対しFlashblocksは、ブロックの完成を待たず、生成済みのデータを約200ミリ秒ごとに小分けして先行配信する技術だ。
The Blockによると、今回のアップグレードにより、検証者はブロック生成中でも並列に検証を進められるようになる。高性能なハードウェアを追加せずに、最大1ギガガス/秒級の処理能力を実現することが狙いだ。
従来、検証者はブロック内の全取引を1件ずつ再実行し、その有効性を確認する必要があった。フルBALでは、各取引がどのデータを読み書きしたかを事前に記録するため、相互に依存しない取引であれば複数のCPUコアで同時に検証できる。
EIP-7928は、ブロック実行時にアクセスされたすべてのアカウントとストレージスロット、さらに実行後の状態差分の記録を義務付けるEthereum改善提案だ。ブロックレベルでのアクセス情報を扱うことから、ブロック検証の高速化に主眼を置いている。
BALは2025年3月に提案され、2025年下半期に予定されるEthereumのハードフォーク「Glamsterdam」に組み込まれる見通しだ。
World Chainは、このBALをFlashblocksアーキテクチャと組み合わせ、データを200ミリ秒ごとに順次ストリーミングすることで、仕組みをさらに発展させる構想だ。
なお、WorldがBALを試す最初のEVMチェーンというわけではない。BinanceのサイドチェーンであるBNB Chainは、BEP-592を通じてBALを導入済みで、BNBの開発チームによると、CPU使用量や処理量、ブロック処理速度で測定可能な改善が確認されたという。