企業結合後の出資構成。資料=韓国公正取引委員会

韓国公正取引委員会は9月22日、米Uber Technologiesによる独Delivery Hero(DH)買収を巡る企業結合の事前審査を開始したと発表した。買収が成立すれば、配車サービス「Uber Taxi」を展開するUberがフードデリバリー大手「Baemin」の支配権を握ることになり、当局は会員施策や広告販促をまたぐサービス連携が市場競争に及ぼす影響を詳しく調べる。

今回の案件は、UberがDHの全株式を公開買い付けで取得する計画に基づくもの。韓国公取委は、同社から事前審査の申請を受理し、審査に着手した。

事前審査は、企業結合を進める当事者が、正式な届出前に競争制限性の有無について当局の判断を求める制度だ。公開買い付けによる株式取得は原則として事後届出の対象だが、Uberは取引完了前に事前審査を申請した。

Uberは11月に公開買い付けを完了する予定。DH株式の50%プラス1株以上の取得を条件に、各国の競争当局の承認などを経て、2027年下半期に株式取得を終える計画としている。

DHは子会社Woowa DH Asiaを通じて、Baemin運営会社のWoowa Brothersを間接支配している。このため取引完了後は、UberがBaeminを実質的に傘下に収める構図となる。

韓国公取委の資料によると、2026年2月時点の月間アクティブユーザー数(MAU)ベースでは、配車プラットフォーム市場でKakao Mobilityが1358万人で首位、Uberが65万人で2位。デリバリープラットフォーム市場では、4月時点でBaeminが2340万人で首位、Coupang Eatsが1315万人、Yogiyoが421万人で続いた。

韓国公取委は今回の取引を、Uberの配車プラットフォーム事業とDHのデリバリープラットフォーム事業を組み合わせる「混合結合」と位置付けている。事業領域は異なるものの、UberがBaeminを支配下に置けば、会員施策の共通化や加盟店向け広告・販促の拡大など、両サービスの連携が進む可能性があるとみている。

Uberも今回の取引で見込む主な効果として、モビリティとデリバリーの相互利用拡大や、加盟店向け広告・プロモーションサービスの強化を挙げている。

このため韓国公取委は、今回の企業結合が配車市場とデリバリーアプリ市場の競争構造、競合事業者の事業活動、利用者と出店事業者の選択肢に与える影響を総合的に審査する方針だ。

韓国公取委は「公正取引法が定める基準と手続きに基づき、綿密に審査を進める」としている。

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