LG Energy Solutionは22日、NVIDIAの次世代AIファクトリー向けエコシステム「DSX Ready」で、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)分野のパートナーに選定されたと発表した。北米の生産基盤を生かし、AIデータセンター向けESS事業の拡大を目指す。
同社によると、「DSX Ready」はNVIDIAが初めて導入した認定プログラムで、AIファクトリープラットフォームに必要な設計・構築・運用要件を満たす製品・ソリューションを対象とする。BESS分野で選ばれた企業は世界で3社のみで、韓国の電池メーカーではLG Energy Solutionが唯一だとしている。
要件を満たしたのは、高容量のリン酸鉄リチウム(LFP)電池を採用した「JF2 AC Link」。モジュール設計を採用しており、データセンターの拡張に合わせて設備を柔軟に増設できる構成とした。
電力制御機能も備える。AIサーバーの消費電力が急変した際に、充放電によって負荷変動を和らげる「AI負荷平準化」や、電圧変動時にも電力供給を維持する「電圧維持」に対応する。
このほか、送電網の電圧や周波数の変化に対応し、電力供給が不安定な環境でも「系統形成」技術を活用して安定供給を維持できるとしている。
同社は今後、北米の現地生産体制をてこに、AIデータセンター向けESS事業を拡大する方針だ。北米ではESS生産拠点を5カ所運営しており、セルからパック、リンクまでを現地で生産している。
年末までには、北米におけるESSの生産能力を50GWh超に引き上げる計画。米国のESSシステムインテグレーション(SI)子会社Vertechを通じ、設計から運用・保守までを支援する体制も整えている。
AIデータセンターの電力需要拡大を追い風に、関連受注も続いている。5月には米ユーティリティー大手DTE Energyと6GWh規模のESS用電池供給契約を締結。7月には、GoogleとCypress Creek Energyの太陽光・ESSプロジェクト向けに電池を供給することを決めた。
BloombergNEFによると、米国のデータセンター電力消費は、前年の180TWhから2030年には391TWhまで増加する見通しだ。
LG Energy SolutionのESS電池事業部で専務を務めるカン・チャンボム氏は、「NVIDIAが初めて立ち上げたDSX Readyにパートナーとして参画したことは、AIデータセンターに最適化した当社製品の競争力を示す成果だ」とコメント。「現地生産能力と技術力を基に、AIインフラ分野での事業領域を広げていく」と述べた。