写真=Apple

Appleは3月、最上位デスクトップ「Mac Pro」の販売を終了し、後継機を投入しない方針を明らかにした。米TechRadarは8月7日、Mac Studioの台頭に加え、AIデータセンター向け需要の拡大に伴う部品高が重なり、Mac Proの商品性が大きく低下したと報じた。

Mac Proは2006年に発表された。Appleは当時、最も高い性能を求めるユーザー向けのデスクトップとして位置付けていた。インテル製プロセッサへの移行期を象徴するMacでもあり、Power Mac G5の約2倍の性能をうたっていた。

もっとも、Mac Proは当初からニッチ市場向けの製品だった。主な顧客は映像制作や高性能処理を必要とするユーザーで、高価格でも性能や安定性を重視する需要を取り込んできた。一方、MacBook AirやMacBook Proのような量販モデルとは性格が異なっていた。

Appleはこうした顧客層を継続的につなぎ留めることができなかった。2013年に発表した円筒形Mac Proは長期間更新されず、Apple自身も後に熱設計上の制約があったと認めている。2013年モデルの投入後、次の新設計モデルが登場するまでには6年を要した。

Mac Studioの登場は、Mac Proの立ち位置をさらに狭めた。Mac Studioは、より小型で低価格でありながら、Mac Proに匹敵、あるいは上回る性能を備えていた。Appleシリコン移行後は、Apple Afterburnerカードのような追加アクセラレータの展開も難しくなり、Mac Proの優位性はPCIeなど一部の拡張性にほぼ限られるようになった。開始価格は6999ドルで、競争力は一段と弱まっていた。

Appleは3月26日、Mac Proの販売終了が報じられた後、今後Mac Proの新たなハードウェアを投入する計画はないと表明した。その後3カ月の間に主要製品の多くが値上げされ、ハイエンドMacの上げ幅は特に大きかった。Mac StudioのM3 Ultraモデルは1300ドルの値上げとなり、MacBook Proも300ドル引き上げられた。ティム・クックCEOは、AIデータセンター需要の拡大に伴う広範な部品不足が背景にあり、値上げは避けられなかったと説明した。

この値上げ幅をMac Proに当てはめると、開始価格は約9299ドルに達する計算だ。ベースモデルでもこの水準まで上昇すれば、販売減少や価格面での反発は避けにくい。Mac Proは、ニッチ市場ゆえの限界、長期にわたる製品刷新の空白、Mac Studioとの競合、そして部品価格の急騰が重なり、20周年を前に姿を消すことになった。

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