視聴覚メディアサービス法(画像=ChatGPT)

放送メディア通信委員会は7日、放送とオンライン動画サービス(OTT)を包括する「視聴覚メディアサービス法」の政府案策定に向けた本格的な議論に着手した。今後の論点は、公共領域をどこまで認めるか、既存の放送規制をどの程度緩和するか、さらに個別クリエイターを制度の対象に含めるかの3点に集約される見通しだ。

関連業界によると、同委員会は前日、視聴覚メディアサービス法に関する政策研究の結果を共有し、法案の方向性を検討するキックオフ会議を開いた。研究過程で示された複数案を整理し、委員の意見を聞く場とみられる。

同委員会の関係者は「数年にわたり政策研究を進め、一定の検討内容は蓄積されているが、研究の過程で提示された案は幅広い」と説明。「研究結果を踏まえ、どの方向が妥当かを委員と共有しながら意見を集めている」と述べた。

その上で「現時点で意見集約には至っておらず、特定案が政府案として固まった段階でもない」とし、「今後の議論の進展やメディア発展委員会の設置など、関連する状況次第で推進の方向は変わり得る」と話した。

同委員会は2026年度の政府立法計画に、視聴覚メディアサービス法の制定を盛り込んでいる。プラットフォームやコンテンツといった機能を基準にした水平的な分類体系を導入し、サービスの特性に応じて規制水準を差別化する構想だ。放送規制の緩和や、メディア産業支援の法的根拠整備も柱に据える。

同法は、放送法やインターネット・マルチメディア放送事業法(IPTV法)などに分かれている現行のメディア規制体系を再編する統合法案となる。地上波や有料放送に加え、OTTや動画共有プラットフォームも「視聴覚メディアサービス」という単一の枠組みで扱うのが骨子だ。

国会にはすでに、チェ・ミンヒ議員が6月18日に発議した視聴覚メディアサービス法案が提出されている。今回議論が始まった同委員会の政府案とチェ・ミンヒ議員案を比べると、大きな相違点は3つある。

まず、公共領域の範囲だ。今後の法案審議では、どこまでを公共領域として位置付けるかが主要争点になる見通しで、政策研究では公共領域を地上波に限定する案が有力とされる。

これに対し、チェ・ミンヒ議員案は、公営放送と地上波放送に加え、報道機能を担うリアルタイムの視聴覚メディアコンテンツサービスを「報道チャンネル」と定義し、公共領域に含めた。報道チャンネルは同委員会の承認対象となり、市場領域より厳しい参入規制が適用される。

次の争点は、既存の放送規制をどこまで緩和するかだ。放送法とIPTV法を統合したチェ・ミンヒ議員案には、編成、広告、協賛に関する規律や視聴者保護制度が盛り込まれている一方、地上波・有料放送業界が求めてきた中間広告の拡大や間接広告規制の緩和といった具体的な緩和措置は入っていない。

一方、同委員会は6月に示した放送法施行令改正案で、1日当たりの広告総量規制を17%から20%に拡大し、中間広告の許容基準も緩和するなど、規制緩和の流れを続けている。

3つ目の争点は、個別クリエイターを規制対象に含めるかどうかだ。チェ・ミンヒ議員案は、ユーチューバーなど利用者が制作したコンテンツを提供する事業者を「利用者制作視聴覚メディアコンテンツサービス事業者」に分類し、このうち大統領令で定める一定規模以上の事業者に対し、同委員会への届け出義務を課すとしている。

これに対し、同委員会の政策研究では、個別クリエイターよりもプラットフォームを中心に規律する方向に重きが置かれているとされる。同委員会は、具体的な適用対象や義務の水準については、さらに議論が必要との立場だ。

今後、同委員会が別途の政府案をまとめる場合は、関係機関との協議、立法予告、規制審査、法制処の審査、国務会議といった手続きを経る必要がある。政府案の国会提出前にチェ・ミンヒ議員案の審査が先行した場合、同委員会が政府意見を提示したり、関連内容を議員案に反映したりする形で調整が進む可能性がある。別途の政府案が提出されれば、国会は2法案を併せて審査するほか、委員会代案を作成することもできる。

メディア政策に詳しい専門家は「今後の法案議論では、公共領域を地上波までに限定するのか、報道チャンネルまで広げるのかがまず争点になる」と指摘した。さらに「既存の放送規制をどの水準まで緩和するのか、OTTの規律をプラットフォームに限るのか、個別クリエイターまで広げるのかも核心的な論点になる。とりわけ報道チャンネルの公共性をどう定義するかによって、公共領域と市場領域の線引きや適用される規制水準も変わり得る」と述べた。

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