Microsoftは、AIの普及によってサイバー攻撃能力の希少性が薄れたとして、セキュリティ対策の軸を事後のパッチ対応から、より安全なソフトウェア開発へ移す必要があるとの考えを示した。
SiliconANGLEが6日(現地時間)に報じたところによると、MicrosoftでAIセキュリティを担当する副社長のデイビッド・ウェストン氏は、Black Hat USAの基調講演でこうした方針転換を訴えた。
ウェストン氏は、従来のセキュリティモデルは強固な境界が維持されることを前提としてきたものの、AIによって攻撃能力の拡散が進み、その希少性を前提とした防御の考え方は通用しにくくなっていると説明した。
そのうえで、パッチ適用の迅速化だけでは限界があると指摘した。パッチはあくまで事後対応であり、攻撃者に侵入の余地を残すためだ。攻撃者は一度の成功で十分なのに対し、防御側は規制対応や社内手続きといった制約を抱えており、構造的に不利だとした。
こうした状況を踏まえ、Microsoftはソフトウェアそのものを初期段階から安全にするアプローチを優先事項に据えた。具体例として、メモリ安全性を備えた言語のRustや形式検証を挙げた。
ウェストン氏は、AIがとりわけエンジニアの生産性向上に寄与しているとしたうえで、その生産性をより安全なソフトウェア構造の構築に振り向けるべきだと述べた。
著者について