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SpaceXが新規株式公開(IPO)で確保した巨額資金を、ビットコインの積み増しではなく、AIインフラと短期の安全資産に重点配分していたことが明らかになった。第2四半期の業績は大幅な増収増益だったが、AI向け投資の拡大に加え、大型のロックアップ解除を控えて株式需給への警戒も強まっている。

ブロックチェーンメディアのCryptoslateが6日(現地時間)に報じたところによると、SpaceXは第2四半期決算で、IPO後もビットコイン保有量を増やさない一方、マネー・マーケット・ファンド(MMF)と政府証券の比率を大きく引き上げた。

第2四半期の売上高は前年同期比92%増の78億1400万ドルで、市場予想の68億ドルを上回った。調整後EBITDAは35億3800万ドルと191%増え、市場予想の約20億ドルを大幅に超えた。

純損失は前年同期の10億800万ドルから5億4100万ドルに縮小。営業損失も9億7000万ドルから1億4300万ドルへ改善した。

市場の注目を集めたのは、上場で流入した856億7500万ドルの使途だ。現金・現金同等物・売却可能有価証券の合計は、6月30日時点で1000億ドル近くに達した。

このうちMMFは656億2500万ドルと、2025年末の213億3900万ドルから3倍超に拡大した。これに、現金同等物に分類される政府証券40億1100万ドルと、売却可能有価証券64億8700万ドルを加えると、MMFと政府証券の合計は761億2300万ドルに上る。

一方、ビットコイン保有量は1万8712BTCで、2025年末から横ばいだった。取得原価も6億6100万ドルで変わらなかった。

ただ、6月末時点の公正価値は10億9800万ドルと、上期初の16億3700万ドルから減少。5億3900万ドルの未実現損失が反映された。それでも公正価値は、帳簿上の取得原価を4億3700万ドル上回っている。

IPO後、流動性資産全体に占めるビットコインの比率は約1.1%に低下した。2025年末時点の約6.6%と比べると、大きく縮小した格好だ。

資金配分の軸はAIインフラに置かれた。第2四半期のAIインフラ投資は158億2800万ドルで、1年前の7億4900万ドルの21倍超。四半期の設備投資総額183億6900万ドルの86%を占めた。

上期累計のAI投資は235億5100万ドルで、総投資額284億7600万ドルの約83%に達した。

AI事業の第2四半期売上高は25億6100万ドル。GoogleとAnthropicとのコンピューティング契約に加え、GrokおよびX(旧Twitter)のサブスクリプション収入が寄与した。

ブレット・ジョンソン最高財務責任者(CFO)は、契約済みの計算設備に関する投資回収期間は1年未満だと説明した。

もっとも、AI部門が直ちに黒字化したわけではない。AI部門の営業損失は12億5700万ドルで、減価償却費・無形資産償却費18億8500万ドル、研究開発費21億7800万ドルが重荷となった。

SpaceXは今年残る2四半期についても、同程度の設備投資を続ける計画だ。

一方で、株価の重荷も残る。好決算にもかかわらず、AI投資の拡大と流通株増加への懸念は払拭されていない。6日からは内部者が約1050億ドル相当の9億株を売却できるようになる。

Barris Capitalのベンチャー責任者、トム・ダンリービ氏は「今回の解除は、市場でも最大級のロックアップ解除の一つになり得る」と指摘した。新株発行ではないものの、従業員や初期投資家が売却に動けば、市場で取引可能な株式数が急増する可能性があるという。

空売りポジションもすでに積み上がっている。S3 Partnersは、貸借可能なSPCX株の95%がすでに貸し出され、空売り残高は流通株の34%に達したと推計した。

暗号資産デリバティブ市場でも、ボラティリティ拡大への思惑が強まっている。Coinglassの集計によると、SPCX先物の出来高と建玉は取引開始後の最高水準まで上昇した。

直近24時間の出来高は約68億5000万ドル、建玉は約7億2000万ドルに近づいた。ただ、建玉の増加は買いと売りの双方を反映するため、相場の方向性を直接示すものではない。

こうしたなか、SPCX株は114ドルまで下落した。IPO価格の135ドルを約15%下回り、直近1カ月では28%安、6月の高値比では約49%下落した水準にある。

SpaceXの上場後の資金運用は、ビットコインの積み増しよりもAI拡張を優先する姿勢を鮮明にした。市場では、大規模なロックアップ解除と重なる形で、株価変動への警戒が強まっている。

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