Naver本社(写真=Naver)

Naverは、AIインフラ事業と消費者向けサービスの両面でAI展開を加速する。NVIDIAと進める「AIファクトリー」で企業や公共分野の需要を取り込みつつ、検索、ショッピング、プレイス、決済に実行型AIを組み込み、検索から購買・予約までの導線強化を図る。さらに「Npay Connect」を通じてオフラインデータを取り込み、事業者向けソリューションや金融収益にもつなげる考えだ。

同社は8月7日に開いた2026年4~6月期(第2四半期)の決算説明会で、こうした戦略を明らかにした。連結売上高は前年同期比16.2%増の3兆3888億ウォン、営業利益は0.2%減の5203億ウォンだった。C2C事業とショッピングが増収をけん引した一方、Npay Connect端末の普及費用、ワールドカップ中継権、AIインフラ関連コストが収益を圧迫した。

◆AIファクトリーを2028年に200MWへ拡張

AIファクトリーは、2027年上期に55MWでサービスを開始し、同年末に100MW、2028年には200MWまで拡張する計画だ。売上計上は2027年上期からを見込む。

チェ・スヨン代表は、低コスト・高効率なモデルの普及で需要が鈍化するとの見方に対し、「演算コストが下がるほどAI活用や推論、エージェントの利用が広がり、全体の計算需要はむしろ拡大する」と述べた。

事業スキームでは、運営会社をNaverの100%子会社とし、別途設ける特別目的会社(SPV)がGPUやデータセンターなどの計算資産を保有する。NVIDIAは約10億ドル規模の第三者割当増資に参加し、Brookfieldは優先交渉先としてSPVに最大90億ドルを投資する案を協議している。チェ代表は「初期の資本負担を抑えながら、迅速に事業を拡大できる基盤を整えた」と説明した。

運営会社は、GPUコンピューティング、クラウド、モデル運用を組み合わせたフルスタック型サービスで売上と利益を確保する方針だ。立ち上がり段階では利益率は低いものの、事業成熟後には20%超を見込む。チップ価格下落の影響について、キム・ヒチョル最高財務責任者(CFO)は「チップ価格が半分になれば、同じ金額で導入できるインフラは2倍になる」と説明。「現行価格で90億ドル分を一括契約する形ではないため、影響は限定的だ」と述べた。

同社は、AIファクトリーをB2Bの新規事業、コマースをB2Cの中核事業と位置付け、組織とリソースを分けて運営する。AIファクトリーについても、外部資本を活用したアセットライト型で進め、既存事業の投資優先順位への影響を最小限に抑える考えだ。

◆AIタブで購買・予約導線を強化、広告収益化も始動

実行型AI戦略の中核となる「AIタブ」は、6月25日の投入後、8月上旬時点の月間アクティブユーザー数(MAU)が1000万人を超えた。週次の再訪率はテスト初期の2倍超、ショッピングとローカルコンテンツのクリック率(CTR)も40%超に達したという。

第3四半期には不動産物件検索とWhaleブラウザ向けの専用エージェントを追加し、年内には健康分野のエージェントも投入する。

7月末に始めた「AIブリーフィング広告」は、既存の検索広告売上への影響を抑えるため、これまで収益化が限定的だった情報収集型の検索語句を中心に適用している。クリック単価とCTRは既存検索広告をそれぞれ30%以上上回り、購買転換率は3倍超に改善した。

第2四半期の広告売上高は7.5%増の1兆4472億ウォンだった。増収分の6割超をAI関連が占めた。サービス売上高はSmartstoreの成長を背景に31.3%増の4550億ウォンとなった。

コマース事業では、ストアアプリ、メンバーシップ、N配送を一体運用する。第2四半期のSmartstore取引額は15.5%増、ストアアプリ取引額は35%超増、N配送取引額は76%増だった。販売事業者との配送直接契約も拡大しており、年末までに集荷量に占める直接契約比率を過半まで引き上げる。10月にはメンバーシップ会員向けの返品センターと早朝配送も導入する予定だ。

◆Npay Connectでオフラインデータを取り込み

Naverは、Npay Connectをオフライン事業者向けのAIプラットフォームへ拡張する。オンラインの3倍超の規模があるとされるオフライン商取引市場では、データの構造化が十分に進んでいないとみて、端末普及のスケジュールを前倒しした。

同社は、プレイスの検索・予約データに加え、Naver ID、決済、メンバーシップの各データ、店舗の来店・注文データを組み合わせることで、AIタブやエージェントのパーソナライズ、広告ターゲティングの高度化につなげる構想を示した。

収益化は、加盟店基盤の拡大後に、CRMや商圏分析などの有料ソリューション、金融仲介、オフライン広告へ段階的に広げる。Naverは来年、オンラインとオフラインを合わせたB2C決済額で国内首位となり、5年以内にオフライン決済規模を130兆ウォンまで拡大する目標を掲げた。

先行投資の影響で、第2四半期のNaverプラットフォーム部門の利益率は前年同期比4.2ポイント、ファイナンシャルプラットフォーム部門は同4.9ポイント低下した。キムCFOは、Npay Connect端末の普及を積極的に進めることで、下期の営業利益率が上期を一時的に下回る可能性があると説明した。

一方で、同社は今年を成長投資が最も集中する時期と位置付けており、来年以降は費用増加率が鈍化すると見込む。今後の焦点は、AI広告、コマース、オフライン事業者向けソリューションで生み出す収益が、投資負担の増加をどの程度早く吸収できるかにある。

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