暗号資産政策は採掘容認から取引・カストディ規制の整備へ広がった(写真=Shutterstock)

ロシアで、暗号資産の取引所やブローカー、カストディ事業者、投資家を対象とする包括規制法が整った。取引は制度の下で認める一方、国内の商品・サービスの決済手段として暗号資産を使うことは禁止したままとし、主要条項は2026年9月から段階的に施行する。

Cointelegraphによると、ウラジーミル・プーチン大統領は6日、「デジタル通貨とデジタル権利に関する法」1194918-8号に署名した。

同法の柱は、ロシアの暗号資産市場に参加する事業者や投資家に関するルール整備だ。対象には、取引所、ブローカー、カストディ事業者などの暗号資産サービス提供者が含まれる。

取引所の運営者には、規制要件を満たすことに加え、金融市場の自主規制機関への加入も求める。

個人投資家向けの購入ルールも定めた。一般投資家は、仲介業者を通じて承認された暗号資産に限って購入できる。購入上限は仲介業者1社当たり年30万ルーブル。一方、適格投資家はこうした制限を受けず、任意の暗号資産を購入できる。

今回の制度は、暗号資産の流通を一律に禁じるのではなく、許容範囲を区分したうえで制度内に取り込んで管理する枠組みといえる。

施行は段階的に進める。主要条項は2026年9月1日に適用を始める。非居住者向けデジタル預託機関に関する規定の一部は、2027年7月1日に施行する。

監督はロシア中央銀行が担う。中央銀行は規制下の暗号資産市場を監督し、関連する詳細規定を整備するほか、認可を受けた仲介業者が取り扱える暗号資産の範囲も定める。

立法手続きはすでに最終段階を終えた。下院に当たる国家院(ドゥーマ)は7月末、最終読会を経て同法案を可決。その後、プーチン大統領の署名により法的枠組みが確定した。

もっとも、決済手段としての利用は引き続き認めない。今回の法律でも、国内の商品・サービスの代金支払いに暗号資産を使うことを禁じる条項は維持された。

ロシアは、投資や取引は規制の下で認めつつ、実体経済の決済とは切り分ける姿勢を明確にした形だ。一般投資家には承認資産と購入上限を設け、適格投資家にはより広い選択肢を認めるなど、投資家区分に応じたルールも導入した。

市場運営では、まず取引所やカストディ事業者などの参入ルールを整え、その後に中央銀行が取り扱い可能な資産の範囲を具体化する流れとなる。非居住者向けデジタル預託機関に関する規定も2027年に追加で施行されるため、ロシアの暗号資産制度化は段階的に進む見通しだ。

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