Cardanoの分散型金融(DeFi)市場で預かり資産総額(TVL)の低迷が続くなか、創設者のチャールズ・ホスキンソン氏が成長戦略「Cardano PRIME」を打ち出した。1年以内に適格TVLを2億9000万ドル超へ引き上げることを目標に掲げ、Alphagrowthはその実行に向けて1億2000万ADAの支援を求めている。
The Crypto Basicが6日付で報じたところによると、CardanoのDeFiにおけるTVLは24時間で1.70%減の6817万ドルとなった。内訳ではステーブルコインが6421万ドルと大半を占めた。
DeFiLlamaの集計では、TVL首位はDano Financeの1415万ドル。Minswapが1318万ドル、Liqwidが1236万ドルで続いた。このほか、WingRiders、Indigo、Slash Protocol、Surf Lendingなども流動性を支えている。
一方で、主要スマートコントラクト基盤との差は大きい。EthereumのTVLは413億2000万ドル、Solanaは47億8000万ドルに達しており、Cardanoを大きく上回る。主要DeFiエコシステムとして存在感を高めるには、流動性の一段の拡大が不可欠な状況だ。
こうしたなか、ホスキンソン氏は他チェーンと正面から競うのではなく、補完関係を軸にDeFiを拡大する戦略を示した。その中核に位置付けたのが、Alphagrowthによる「Cardano PRIME」だ。今後12カ月でCardanoのDeFi成長を後押しし、適格TVLを9000万ドル規模から1年以内に2億9000万ドル超へ引き上げることを目指す。
Alphagrowthはこの実行資金として、Cardanoの財務部門向けに1億2000万ADAの支援を要請した。提案には、1100万ADAの固定手数料に加え、事前に定めた成長目標を達成した場合に最大2900万ADAを支払う成果連動型インセンティブが盛り込まれている。
ホスキンソン氏は追加の成長ドライバーとして、Cardanoの取り組みであるRealFiとPogunにも言及した。RealFiは、DeFiを現実の金融サービスと結び付け、金融アクセスが限られる層の経済活動とブロックチェーン採用の拡大を目指す構想。Pogunは、ビットコインの流動性をCardanoエコシステムに呼び込み、ビットコイン保有者がCardano基盤のDeFiに参加できるよう設計されたプロジェクトとしている。
さらに同氏は、PRIME、RealFi、Pogunを通じて、長期的には数十億ドル規模の資本をCardanoエコシステムに呼び込めるとの見方を示した。「TVLが数十億ドル規模に達すれば、市場の見方は変わる。人々はCardanoをそれ自体の強みで評価するようになる」と述べた。
焦点は、こうした構想が実際の資金流入につながるかどうかだ。Cardanoは足元でTVLの減少と、主要ブロックチェーンに比べた預かり資産規模の小ささという課題を抱える。財務支援案の可決の行方に加え、各プロジェクトが実利用者と流動性をどこまで呼び込めるかが、DeFiエコシステム持ち直しのカギとなる。