画像=TabArenaのリーダーボード

LG AI研究院は8月7日、表データ向けAIモデル「EXAONE Tabular」と時系列予測モデル「EXAONE Forecast」が、それぞれ国際リーダーボードでSOTA(世界最高水準)を達成したと発表した。2026年下半期には、製造、バイオヘルスケア、金融の3領域で概念実証(PoC)を進め、実事業への展開を目指す。

イム・ウヒョン共同研究院長は、「世界のビッグテックの関心は、汎用言語モデルから、実際の産業現場の課題を解く産業特化型のAIファウンデーションモデルへ急速に移っている」とコメントした。今回の成果については、「製造業をはじめとする多様な産業現場で蓄積したデータが、韓国AIの差別化要因になり得ることを示した」と説明している。

LG AI研究院によると、「EXAONE Tabular」は、さまざまな業界で使われる表データの予測性能を評価する国際リーダーボード「TabArena」で、カテゴリーデータ予測部門の首位を獲得した。

同モデルは、表形式の合成データを大規模に学習した「Tabular Foundation Model(TFM)」に位置付けられる。表をテキストに変換して処理する従来の汎用言語モデルとは異なり、行と列で構成される表の構造やデータ間の関係を直接捉えられる点を特徴とする。

評価スコア(ELO)は1760で、Googleが先月公開した「TabFM」の1749を上回った。

新たなデータが加わるたびにモデル全体を再学習する必要がない点も特徴だ。少量データでも新しい課題に素早く適応できるため、十分なデータを確保しにくい産業現場でも活用余地が大きいとしている。

LG AI研究院は2026年下半期、製造、バイオヘルスケア、金融の3領域で「EXAONE Tabular」のPoCを進め、事業化につなげる計画だ。

一方、時系列予測モデル「EXAONE Forecast」は、Salesforceが開発した時系列予測の評価リーダーボード「GIFT-Eval」で最高水準の予測精度を示した。

時系列データは、製品需要、原材料価格、電力使用量、株価のように、時間の経過とともに値が変化するデータを指す。時系列予測は産業の中核領域である半面、業界ごとにデータの特性や変動パターンが異なるため、単一の汎用AIで複数業界にまたがる予測を高精度に行うことは難しいとされてきた。

LG AI研究院の時系列ファウンデーションモデル(TSFM)「EXAONE Forecast」は、未知の分野のデータを追加学習なしで予測するゼロショット部門で1位を獲得した。

実業務環境でAIが自律的に分析・予測を行う「Agentic AI」部門でも2位に入り、産業現場での実用性と幅広い業界への適用可能性を示したと同研究院は説明している。

「EXAONE Forecast」は、インターネット、販売、エネルギー、経済、ヘルスケア、交通など多様な産業の実データに加え、現実世界を模した2兆件規模の仮想時系列データを基に学習したという。

金融、エネルギー、製造、医療など異なる業界の時系列予測を単一モデルで扱えるため、業界ごとに予測モデルを個別開発してきた従来手法に比べ、適用範囲が広く、開発効率も高いとしている。

LG AI研究院は、産業データと業務特性に最適化した「産業特化ファウンデーションモデル」を軸に、EXAONEの適用領域を広げている。

2024年には病理学ファウンデーションモデル「EXAONE Path」を公開した。現在は、がん種の診断と専門医の意思決定を支援する「がんAgentic AI」を開発中としている。

EXAONEが扱えるデータの種類も拡大している。視覚情報を理解し、ロボットが物理世界で作業できるよう制御する「Robot Foundation Model(RFM)」も開発している。

イ・スンヨンデータインテリジェンスラボ長は、「LGの競争力は、多様な産業で蓄積してきたデータと、産業現場に対する深い理解にある」と述べた。そのうえで、「複数業界向けの特化型ファウンデーションモデル群を継続的に拡充し、グローバルAI市場で新たな競争軸を築いていく」とした。

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