写真=Reve AI

Strategyのマイケル・セイラー会長は、ChatGPTを活用して設計した優先株を通じ、同社が過去1年で約150億ドル(約2兆2500億円)を調達したと明らかにした。ビットコイン購入資金の確保に向け、従来の転換社債に代わる新たな調達手法として活用したという。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが6日(現地時間)に報じたところによると、セイラー氏はポッドキャスト「Diary of CEO」のインタビューで、AIを使って従来にない資金調達の仕組みを設計したと語った。

同氏は、Strategyがこれまでビットコイン購入資金の調達に転換社債を用いてきた一方、この手法には事実上の限界が見え始めていたと説明した。その後、ChatGPTと長時間対話を重ね、月次の配当率を調整しながら市場価格を100ドル前後に維持する優先株の仕組みが成り立つかを検討したという。

セイラー氏は「ChatGPTは、誰も試したことはないが、合法的で合理的な構造だと示した」と述べた。「当初は投資銀行家や弁護士も、前例がないとして反対した」とも語っている。

こうした経験を踏まえ、同氏は「ロボットより一生懸命働こうとするな」と発言し、AIは競争相手ではなく、新しいものを生み出すための道具として使うべきだと強調した。ビットコインとAIはいずれも普及の初期段階にあり、両者を組み合わせれば従来になかった金融商品を設計できるとの見方も示した。

もっとも、ここでいう150億ドルはセイラー氏個人の収益ではなく、Strategyが調達した資金の総額を指す。Forbesは同氏の個人純資産を33億ドル(約4950億円)と推計している。

足元では、ビットコインとStrategy株の下落が続き、資金調達環境への圧力も強まっている。ビットコインは2026年に入って26%下落し、Strategy株も年初来で約38%下げた。株価は52週高値の414.36ドルから約76%低い、98ドル前後で推移した。

こうしたなか、Strategyは直近で3回目となるビットコイン売却を実施した。1638BTCを平均6万3957ドルで売却し、約1億470万ドル(約157億円)を確保した。

今回の売却は、優先株の配当支払い原資を手当てするための措置だ。これまでの売却量は合計5226BTC、金額ベースでは約3億2100万ドル(約482億円)に達した。

同社はこのほか、普通株の売却で2億9060万ドル(約436億円)を追加調達した。現金準備も2億5000万ドル(約375億円)積み増し、40億ドル(約6000億円)に拡大した。年間で約17億6000万ドル(約2640億円)に上る優先株配当と利息負担を、少なくとも12カ月間賄う狙いがある。

現在、Strategyは平均取得単価約7万5419ドルで84万2138BTCを保有している。ただ、足元のビットコイン価格は平均取得単価を下回っており、保有資産には大幅な評価損が発生している。

2026年4~6月期業績には、ビットコイン価格下落に伴う83億2000万ドル(約1兆2480億円)の未実現損失と、1株当たり24.45ドルの希薄化損失が反映された。

一方でセイラー氏は、今回の売却が「ビットコインを売らない」という従来姿勢の転換を意味するとの見方を否定した。X(旧Twitter)では「『絶対に売らない』という方針を持ったことは一度もない」と投稿した。

市場の関心は、StrategyがAIを使って設計したこの資金調達の仕組みを今後も拡大できるかに集まっている。ビットコイン相場の軟調が続くなか、優先株配当と利息負担を安定的に賄えるかが、今後の焦点となりそうだ。

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