Dogecoin(DOGE)の保管方法を巡り、コミュニティ関係者が注意を呼びかけている。インターネットから切り離したPCでウォレットを作成しても、それだけで安全とは限らない。端末やOSがすでにマルウェアに感染していれば、シードフレーズ(復旧フレーズ)が外部に流出する恐れがあるという。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、Dogecoinコミュニティの貢献者として知られるミシャボア氏は8月6日(現地時間)、Coldcardを巡るセキュリティ上の懸念を受け、ハードウェアウォレットやオフライン生成の限界について見解を示した。
同氏はまず、暗号資産ウォレットは資産そのものを保存するものではなく、資産にアクセスするための秘密鍵を保管する仕組みだと説明した。そのため、鍵を生成する端末がマルウェアに感染していたり、信頼できない状態にあったりすれば、保管中の暗号資産も危険にさらされるとした。
特に警戒を促したのが、一般的なPCをオフラインにしてシードフレーズを生成する方法だ。ネット接続を切っていても、端末のハードウェアやOSが完全に信頼できる状態でなければ、安全だと思い込むのは危険だと指摘した。
OSがすでにマルウェアに感染している場合、ネットワークを遮断しても根本的な対策にはならないという。マルウェアがシード生成時に情報を取得して端末内に保持し、その後端末が再びインターネットに接続された際に攻撃者へ送信できるためだ。ネットワーク遮断は情報窃取そのものを防ぐのではなく、流出のタイミングを遅らせるにすぎないとした。
また、取引所に資産を預ければ解決するわけでもないとした。暗号資産業界で広く知られる「Not your keys, not your coins(自分で鍵を管理していなければ、自分のコインではない)」という原則は依然として有効で、取引所もハッキングや破綻のリスクを免れない以上、個人ウォレットのセキュリティ不安を避ける目的で預けても抜本策にはならないと説明した。
技術に詳しくない利用者に向けては、資産を1つのウォレットに集中させず、複数の端末や信頼できるブランドのウォレットに分散して保管するよう勧めた。通常のシードフレーズに追加の秘密語句を設定するパスフレーズを使い、いわゆる「25番目の単語」を加えることで安全性を高められるとも述べた。シードフレーズとパスフレーズは必ずオフラインで別々にバックアップし、安全な場所に保管すべきだとしている。
あわせて、電子機器に頼らない手動の乱数生成方法にも触れた。サイコロの偏りが気になる場合は、同じサイコロを2回振り、1回目の目が大きければ「1」、2回目の目が大きければ「0」とし、同じ目が出た場合は結果を捨てる手順を繰り返すことで、偏りの少ないビット列を作れるという。
もっとも、こうした手動の方法も万能ではない。長期保管用に生成した値を一般的なPCに入力した時点で、端末に潜むマルウェアによって再び情報が漏れるリスクが生じるためだ。
ミシャボア氏は、特定のハードウェアウォレットや単一のオフライン生成手法だけで完全な安全性は確保できないと強調した。暗号資産を安全に保管するには、鍵の生成環境から保存先のデバイス、バックアップの手順までを一体で管理する必要がある。単にネット接続を切っただけで安全だと考えることは、かえって資産を失うリスクを高めかねないと警告している。