写真=Fortune Global Forum

米政界の暗号資産業界に対する見方が変わりつつある。Andreessen Horowitz(a16z)の共同創業者マーク・アンドリーセン氏は、数年にわたる規制圧力の中でも業界が存続したこと自体が、立法府の認識を動かす材料になっているとの見方を示した。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが6日(現地時間)に報じたところによると、アンドリーセン氏は「a16z Crypto Show」に出演し、バイデン政権期の厳しい規制姿勢が、結果的に暗号資産業界の耐久性を示す形になったと語った。

同氏は、当時のホワイトハウスが暗号資産業界の縮小を志向していたと主張した。規制体系の整備よりも、事後的な処分や訴追を軸に業界を圧迫する対応が続いたという。

アンドリーセン氏は「ホワイトハウスのある政権がこの産業を殺すと決めた」と述べ、「明確な規制を拒み、代わりに戦争を仕掛けるように起訴に踏み切った」と振り返った。

一方で、こうした圧力にもかかわらず業界と技術が崩れなかったことが、ワシントンの見方を変えつつあると分析した。厳しい規制局面を乗り切った事実そのものが、産業としての必要性や競争力を示すシグナルとして受け止められているという。

同氏は「私が会った議員の中には、『殺そうとしても死ななかったのなら、悪くない産業かもしれない。今後は暗号資産を支持する』と話す人もいた」と述べた。

ただ、政界の空気の変化だけでは不十分だとして、現在米議会で議論されているCLARITY法案のような包括的な規制整備が急務だと強調した。

同氏は「米国には、株式や債券市場と同様、暗号資産にも安定した恒久的な制度枠組みが必要だ」と指摘した。明確な法的枠組みが整えば、企業は長期的な事業計画を立てやすくなり、市場も継続的な成長が可能になると説明した。

また、規制の空白が長引けば、海外拠点の事業者や違法行為に手を染めるプレーヤーに有利な環境が生まれると警告した。逆に、法令順守を重視する米企業は、不確実性の中で競争力を失いかねないと懸念を示した。

その例として挙げたのがFTXの破綻だ。明確な規制体系がなければ利用者資金の保護が不十分になりやすく、責任ある事業者ではなく、規制の死角にいる海外事業者が市場を主導する事態も起こり得るという。

アンドリーセン氏は「人々のお金が盗まれるようなことがあってはならない」と述べ、「市場の勝者が、海岸のどこかでヨットの上から運営されるような一時的事業者であってはならない」と語った。業界が求めているのは政府の特恵や補助金ではなく、責任ある事業運営を可能にする恒常的な制度だとも付け加えた。

さらに、政界の一部で出ている「暗号資産は違法資金の流通経路だ」との批判にも反論した。暗号資産規制の強化を訴えてきたエリザベス・ウォレン上院議員らの見方とは異なり、同氏が接触した国家安全保障関係者は、ブロックチェーンの追跡可能性に注目していると述べた。

同氏によると、国家安全保障分野の関係者は、犯罪組織やテロ組織がブロックチェーン基盤のネットワークを使うほど取引記録が残り、追跡が容易になる点を前向きに評価しているという。

今回の発言は、米暗号資産業界の主要な論点が単なる規制緩和ではなく、明確で持続可能な制度基盤の整備にあるとの認識を改めて示した形だ。業界の存続力が政界の見方を変えたとの評価とともに、CLARITY法案を含む米議会の制度論議が、競争環境や投資家保護にどのような影響を与えるかに関心が集まっている。

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