価格動向より保有主体の変化に着目した今回のレポート(写真=Reve AI)

Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、XRPの各市場で大口投資家による買い増しが広がっている。オンチェーン分析企業CryptoQuantは、こうした動きについて、暗号資産市場が弱気相場の終盤局面に近づいている可能性を示すものだと分析した。ただ、最終的な底打ちが確認されたわけではなく、なお一段安の可能性は残るとしている。

CoinPostが6日付で伝えたところによると、CryptoQuantは最新の市場レポートで、BTC、ETH、XRPの3銘柄に共通して大口投資家の買い増しが進んでいると指摘した。こうした傾向は、過去の弱気相場の最終段階で繰り返し確認されてきたパターンに近いという。

CryptoQuantが注目したのは、相場が下落する局面でも大口保有者が継続的に売り圧力を吸収している点だ。長期保有志向の強い投資家が買い増しを進めれば、市場で流通する供給は減少し、その後に需要が回復した局面で価格反発の土台になりやすいと説明している。

BTCでは、取引所とマイニングプールを除く大口ウォレットの保有量が、昨年12月の約287万BTCを下回った後、2026年に入って増加基調を維持し、足元では約306万BTCに達した。特にBTC価格が6万ドルを割り込んだ6月には、大口投資家による押し目買いが活発だったという。ただ、保有量は2025年の強気相場で記録した約323万BTCには届いていない。

CryptoQuantは、下落相場でクジラの残高が増加する現象を「スマートマネーの動きを示す最も明確なシグナル」と位置付ける。長期保有者が市場の売りを吸収すれば供給圧力が和らぎ、過去にも底打ち前の局面で同様の動きが繰り返し観測されたとしている。

XRPでも同様の傾向がみられた。現物市場の平均注文規模は引き続き超大口投資家が中心で、価格が年初の約2.4ドルから足元で1ドル前後まで下落した後も、買い増しが続いていると分析した。

もっとも、現時点で積極的な買い局面に入ったとまでは言い切れない。90日テイカー累積出来高デルタ(CVD)は中立圏にとどまっている。CryptoQuantは、大規模な指値注文と中立的なCVDの組み合わせについて、売り圧力を静かに吸収しながら底固めが進む過程を示すものだと分析。相場を強く押し上げる段階ではなく、市場に出てくる売りを受け止める局面だとみている。

ETHでは、投資家層ごとの動きがより鮮明に分かれた。1000~1万ETHを保有する中規模投資家の保有量は、1月の約1560万ETHから足元では約1290万ETHへ減少した。一方、1万~10万ETHを保有する大口投資家の保有量は、2025年半ばの約1400万ETHから現在は約1960万ETHへ増加し、過去最高水準を更新した。とりわけ10万ETH超を保有する超大口ウォレットの買い増しが目立ったという。

この動きは、個人投資家や中小規模投資家が手放した供給を大口投資家が吸収している構図を示している。CryptoQuantは、保有が長期投資家に集中するほど市場流通量は減少し、需要回復時の価格上昇にとって有利な環境が整う可能性があるとみている。

ただし、相場が完全に底打ちしたと断定するのは時期尚早だ。過去の弱気相場では、BTC価格が実現価格(Realized Price)まで下落した後に最終的な底を付ける例が多かった。しかし現時点では、BTCとXRPは実現価格をわずかに上回って推移しており、これを下回っているのはETHのみだという。

CryptoQuantは、今回の大口投資家による買い増しについて、弱気相場後半にみられる典型的な特徴である可能性が高いと評価する一方、最終的な底打ち確認までに、なお一度の追加下落が起きる可能性は否定できないと付け加えた。

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