POSCO Future Mは8月6日、国内電池メーカーとLFP正極材の長期供給で合意したと発表した。供給量は来年から2032年までの6年間で19万トン超。詳細条件を詰めたうえで、第3四半期に正式契約を締結する予定だ。
LFP電池は、NCMやNCAなどの三元系電池に比べて出力面では劣る一方、価格競争力が高く、寿命も長い。AI向けデータセンターの増設に伴って電力需要が急増するなか、電力の安定供給を目的としたESS向けを中心に需要が拡大している。電気自動車市場でも、普及価格帯モデルを中心に採用が広がっている。
同社は、供給開始時期に合わせた設備転換をすでに終えたとしている。最近では浦項工場のハイニッケル正極材生産ラインの一部を、LFP正極材ラインに切り替えた。現在は顧客先で試作品の認証手続きが進んでおり、年末から量産供給を始める計画だ。別の大口顧客とのLFP正極材供給契約も最終段階にあり、追加受注に応じて生産能力を拡大する方針だという。
原価構造の改善も並行して進める。POSCOグループの連携を生かし、製鉄工程で発生する酸化鉄などの副産物や、アルゼンチン塩湖由来のリチウムを活用する新工法を導入する。これにより、原価競争力を高めたLFP正極材の生産・供給を目指す。5月には、FNO-CNGRとの合弁会社CNP New Materials Technologyが、浦項の迎日湾4一般産業団地でLFP正極材工場の建設に着工した。2027年の量産開始を目標に、生産能力を最大5万トンまで段階的に引き上げる計画だ。
同社は、各国の貿易規制に対応可能なサプライチェーンと技術力を強みに、グローバル電池メーカーや完成車メーカーとの正極材・負極材の供給協議も続けている。3月には、グローバル完成車メーカーと1兆ウォン規模の人造黒鉛負極材の長期供給契約を締結した。約3570億ウォンを投じ、ベトナムで人造黒鉛負極材工場の新設も進めている。