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米デジタル資産市場の制度設計を左右するCLARITY Actが、上院本会議での採決段階に入った。もっとも、ステーブルコイン発行体の利払い容認や高官の暗号資産事業への関与を巡る倫理条項で対立が続いており、成立の先行きはなお見通しにくい。市場ではビットコインの上値の重さも意識され、「8月相場」への警戒感が強まっている。

米デジタル資産市場法案CLARITY Act(正式名称:Digital Asset Market Clarity Act)は、上院本会議で採決される見通しとなった。チャック・シューマー民主党上院院内総務に続き、ジョン・スーン共和党上院院内総務も8月休会前の採決方針を示し、いったん上院日程から外れていた法案が再び審議俎上に載った。

ただ、成立までのハードルは高い。週初には可決確率を75%程度とみる向きもあったが、その後は見方が急速に慎重化した。ステーブルコイン発行体の利払いを認めるかどうかに加え、トランプ大統領を含む高位政府関係者の暗号資産事業への関与を制限する倫理条項を巡って意見の隔たりが表面化し、成立見通しが30%台まで低下したとの観測も出ている。

市場関係者の見方も割れている。JPモルガンとバーンスタインは、CLARITY Actが今回も棚上げされれば、暗号資産市場に追加の下押し圧力がかかる可能性があると警告した。一方、Coinbaseは民主党から一定の賛成票を確保できる可能性が高いとみており、可決に前向きな見通しを示している。BlackRockは、法案成立が米国のデジタル資産分野における資本市場の主導権維持につながると評価した。スコット・ベッセント財務長官も上院に早期採決を求めており、行政府の働きかけも強まっている。

一方で、「XRP訴訟の主役」とも呼ばれたジェイ・クレイトン前SEC委員長が国家情報長官(DNI)に最終承認され、Rippleを巡る議論にも波紋が広がった。

韓国市場でも動きが出ている。Bithumbは2028年の新規株式公開(IPO)を目標に、内部統制の強化や会計基準の切り替え、ガバナンス整備など上場準備を本格化させる。年内に内部統制強化と韓国採択国際会計基準(K-IFRS)への移行準備を進め、2027年に上場予備審査を申請し、2028年のIPO完了を目指す計画だ。

相場全体では不安定な地合いが続く。韓国ではKOSPI急落局面で資金の逃避先として暗号資産市場が意識され、Upbitでのウォン建てUSDT取引量が短期間で600%増加した。株式市場の変動拡大が、個人資金の暗号資産市場への流入を促したとの見方が出ている。

もっとも、ビットコイン自体は7月の反発基調を維持できていない。季節的に変動率が高まりやすい8月を前に、市場ではいわゆる「8月の呪い」への警戒が強まっている。直近の清算連鎖7件を分析した結果では、共通する明確な前兆シグナルは確認されず、むしろ市場の不確実性を印象付ける内容になったと受け止められている。

アルトコイン市場でも選別色が強まっている。従来はビットコイン上昇後に資金がアルトコインへ波及する「アルトシーズン」が意識されてきたが、足元ではその構図が機能しにくくなっているという。機関投資家は幅広い銘柄への分散よりも、少数の有力資産に資金を集中させる保守的な戦略を取っているとされる。

実際、EthereumとSolanaはオンチェーン活動の指標が増加したにもかかわらず、価格が半減する場面がみられるなど、ファンダメンタルズと値動きの連動性が弱まっている。さらに、米財務省はイランの海上保険関連企業2社を制裁対象に追加した。制裁回避手段として利用されてきたビットコイン決済ルートへの圧力が強まる可能性がある。

セキュリティ面でも注目材料が相次いだ。Galaxy Researchによると、ハードウェアウォレット「Coldcard」を巡って利用者アドレス1196件が侵害され、ビットコイン1082枚が流出したことが分かった。被害額は8800万ドル超とされ、約132億円に相当する。ハードウェアウォレットも絶対安全ではないとの認識を改めて広げる材料となった。

この問題を受け、一部ではセルフカストディ不要論も浮上したが、中央集権型取引所の破綻事例を踏まえると、自主保管の優位性はなお大きいとする見方も根強い。

量子コンピュータ由来の脅威に対応する技術面の進展もあった。既存ウォレットを交換したり、資金を移動したりすることなく量子耐性を確保できる技術が登場し、長期的なセキュリティ懸念の軽減につながる可能性があると評価されている。

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