写真=Aptera Motors

米EVスタートアップのApteraが、太陽光充電対応の3輪EVの量産準備を本格化している。量産モデルで米環境保護庁(EPA)の認証を取得したのに続き、初回納車分に充てる部材の手配も完了し、商用化に向けた工程が一段進んだ。

米EVメディアのCleanTechnicaが5日(現地時間)に報じたところによると、Apteraは40台の初期生産を見込み、ボディーとシャシーの発注を終えた。部材は10月に米カリフォルニア州の工場へ到着する予定だ。

Apteraの車両は、一般的な4輪EVではなく3輪構造を採用するのが特徴だ。車体の軽量化とエネルギー効率の向上を狙った設計で、同社は日常の移動で充電負担を抑えられる実用EVと位置付けている。

認証手続きも並行して進んでいる。Apteraは7月、量産モデル「Launch Edition」がEPAの適合性認証書を取得したと発表した。これは、同車両が米大気浄化法(Clean Air Act)に基づく連邦排出基準を満たしたことを示すものだ。

一方、米市場で販売するには、連邦自動車安全基準(FMVSS)への適合がなお必要となる。Apteraは、検証用車両を実道路で走行させながら手続きを進めていると説明した。今回手配した部材についても、設計検証用の試作車向けではなく、顧客に引き渡す最初の量産車に使う点を強調している。

差別化要因として打ち出すのが、車体に搭載した太陽光パネルによる充電機能だ。同社によれば、条件次第では太陽光発電だけで1日当たり最大約40マイル(約64キロ)走行できるという。実走行試験では、晴天時に一方向へ駐車した状態でも約40マイル分の走行距離を確保でき、曇天時でも車両の向きを調整することで約36マイル分を充電できたとしている。車両前面を東または西に向けて駐車すると、発電効率を高められるとも説明した。

3輪構造には、道路利用面での利点もあるという。カリフォルニア州では昨年9月、EVの単独乗車による相乗り車線(HOVレーン)利用の優遇措置が終了したが、オートサイクルやオートバイは現行ルールで単独乗車でも利用できる。Apteraは、自社車両が3輪車に分類されるため、該当地域では同様の扱いを受けられるとしている。

生産体制の整備も進めている。Apteraはすでに100台超分の太陽電池を確保しており、今年初めにはLGと7年間のバッテリー供給契約を結んだ。Launch Editionの価格は4万ドルで、航続距離は1回の充電で約400マイル(約644キロ)。このほか、250マイル(約402キロ)モデルは2万8000ドル、600マイル(約965キロ)モデルは4万5000ドル、1000マイル(約1610キロ)モデルは5万5000ドルとしている。

Apteraは2006年に太陽光EVの開発を進めたが、資金調達難により2011年に清算した。その後、2020年に3輪EVメーカーとして再始動し、開発を継続してきた。

今回の初期量産準備と連邦認証の進展は、長期化してきたApteraの商用化プロジェクトが、実際の顧客納車の段階へ進めるかを見極める節目となりそうだ。

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