中国の外骨格ロボット市場は、市場規模で医療リハビリ向け、出荷台数で消費者向け支援が成長を主導した。写真=Shutterstock

中国の外骨格ロボット市場が急拡大している。IDCの初集計によると、2025年の中国市場は出荷台数が約2万6000台、市場規模が16億元を超え、過去最大を記録した。用途は医療リハビリに加え、高齢者支援、観光・レジャー、産業分野へと広がっており、フィジカルAIの商用化も加速している。

Cryptopolitanが4日付で伝えたところによると、IDCは2025年の中国外骨格ロボット市場について、出荷台数と市場規模を初めて公式に集計・公表した。IDCは2025年を、中国の外骨格ロボット産業が商用化段階で新たな高水準に達した年と位置付けている。

市場は大きく、医療リハビリ向け、消費者向け支援、産業用の3分野に分かれる。分野ごとに成長のけん引役も異なっている。

市場規模で最大だったのは医療リハビリ向けだ。市場規模は約14億2000万元で全体の大半を占めた一方、出荷台数は約3200台だった。主な導入先は病院のリハビリセンター、専門クリニック、回復治療施設。IDCは、高齢化の進展やリハビリ需要の増加、輸入機器の国産化、基礎リハビリサービスの拡大を背景に、この分野が最も成熟した市場になったと分析した。企業別では、Fourier Intelligence、QingTian Technology、MileBotなどを有力企業として挙げている。

一方、出荷台数ベースで市場拡大をけん引したのは消費者向け支援だった。市場規模は約1億1000万元にとどまったが、出荷台数は約1万9000台と全体の7割超を占めた。

背景には価格低下とシルバー経済の拡大がある。50歳以上の消費者を中心に、歩行支援や登山、観光活動を補助する需要が増えており、一般消費者向け市場が急速に広がっているという。

観光地ではレンタルサービスも広がり始めた。万里の長城では、観光客が移動時の負担を軽減する目的で外骨格機器を装着して登ることができる。山東省の泰山では、泰山文化観光グループがKangQing Technologyの機器500台を運用している。機器の重量は約1.8kgで、1回の充電で最大8時間使用可能。運営側によると、繁忙期の稼働率は80%に達した。

産業用外骨格ロボット市場はなお立ち上がり段階にある。倉庫、自動車工場、電力設備、緊急対応の現場などで使われる産業用製品の出荷台数は約3800台、市場規模は8000万元だった。

価格競争力も市場拡大の重要な要因とみられている。4月に広州で開かれた広交会では、中国企業がリハビリ向け外骨格ロボットの予約受け付けを1200ドルで開始した。最終販売価格は1万元以下になる見通しも示された。アルゼンチンのバイヤーが機器を装着して自力で立ち上がる動画は、Douyinのライブ配信で拡散し、数百件の注文につながったという。

こうした価格競争力の背景には、電気自動車やバッテリー産業で蓄積してきた製造力とサプライチェーンがあるとされる。韓国ロボット産業振興院の関連報告書は、中国のロボット産業について、国家支援の下でサプライチェーン、生産基盤、研究開発人材が結び付いた共通基盤を備えていると分析した。

投資も拡大している。IDCによると、2025年の中国外骨格ロボット分野の投資件数は19件、調達額は22億元だった。2024年の8件、2億9200万元から大きく増えた。海外展開も進んでおり、レジャー向け外骨格ロボットのHyperShellは世界で3万台超を販売し、2025年には韓国市場への進出も進めている。

もっとも、対外リスクは残る。米連邦通信委員会(FCC)を含む米国側の規制動向を踏まえると、中国製ロボット関連製品を巡る通商・安全保障面の影響を免れるわけではない。中国の外骨格ロボット市場は、内需拡大と海外展開を進める一方で、通商規制の影響も見極める局面に入っている。

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