「Mic Mini 2S」は同シリーズで初めて内蔵録音に対応した。写真=DJI

DJIは、超小型ワイヤレスマイクの新製品「Mic Mini 2S」を発表した。16GBの内蔵ストレージによる単体録音機能を新たに搭載したほか、送信機の同時接続数を最大4台に拡大。1人での動画撮影に加え、インタビューやポッドキャストなど複数人での収録にも対応しやすくした。

米TechRadarが4日付で報じた。Mic Mini 2Sは「Mic Mini 2」の後継に位置付けられるモデルで、超小型サイズやエントリー向けの性格は維持しつつ、実用面の機能を強化した。

最大の特徴は、送信機単体で録音できるようになった点だ。Mic Mini 2Sは16GBの内蔵ストレージを備え、受信機やカメラに接続していない状態でも音声を直接保存できる。

DJIによると、録音時間は24ビットで最大約28時間、32ビットフロートでは最大約22時間。32ビットフロート録音は、急激な音量変化があっても音質の劣化を抑えやすいとして、映像制作の現場で需要が高い機能とされる。

同時接続できる送信機の数も増えた。従来のMic Mini 2は2台までだったが、新モデルは最大4台まで同時に利用できる。

これにより、ポッドキャストや小規模なパネル形式のインタビュー、多人数での撮影などでも、追加機材を増やさず運用しやすくなる。録音モードはモノラル、ステレオ、セーフティトラックに加え、新たにクアドラフォニックモードをサポートする。

ノイズ除去機能も見直した。DJIは、従来のアクティブノイズ除去に代えて、NPUベースのAIノイズ除去技術を採用したとしている。設定は「基本」と「強」の2モードを用意し、従来モデルより音声の明瞭さを高めつつ、歪みも抑えたという。

ファイル転送速度も向上した。充電ケースに保存された録音ファイルは最大34MB/秒で取り出せる。DJIは、これは上位モデル「Mic 3」の約2倍の速度だとしており、30分の24ビット録音ファイルなら約8秒で転送できるとしている。

充電ケースの設計も改めた。新しいケースは、送信機2台、受信機1台、モバイル受信機、3.5mmオーディオケーブルをまとめて収納できる構造とし、付属品を一括して持ち運びやすくした。

一方で、バッテリー駆動時間は一部で短くなった。送信機の連続使用時間は最大11時間、受信機は最大10時間で、従来モデルの11.5時間、10.5時間からそれぞれやや減少した。充電ケース込みの総使用時間も48時間から40時間に減っている。内蔵録音機能や追加ハードウェアの搭載が影響した可能性がある。

DJI製品との連携機能は維持した。音声トーンのプリセット3種類、最大400mの伝送距離、Osmo製品との直接接続などに対応する。

対応製品も広がった。Mic Mini 2Sは「Osmo Pocket 4P」のほか、「Osmo Pocket 4」「Osmo 360」「Osmo Nano」「Osmo Action 6」とも連携する。

価格は構成によって異なる。送信機または受信機の単体構成は79ポンドから、モバイル受信機キットは149豪ドルから。送信機2台、受信機1台、充電ケースを含むフルパッケージは169ポンド、または279豪ドルからとなる。送信機単体は59ポンド、充電ケースは29ポンドから購入できる。

米国での発売時期は未定。DJIは、規制当局の承認手続きが残っているため、現時点では米国市場での販売計画はないとしている。

Mic Mini 2Sは、単なる小幅な更新ではなく、小型ワイヤレスマイクの用途を広げる製品といえそうだ。内蔵録音と最大4台の送信機接続に対応したことで、個人クリエイターだけでなく、インタビュー収録やポッドキャスト、小規模な制作チームまで視野に入れたDJIの戦略がより鮮明になった。

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