American Bitcoinのイメージ写真=Shutterstock

米大統領ドナルド・トランプ氏の次男、エリック・トランプ氏が共同創業したAmerican Bitcoin(ABTC)が、保有するビットコイン8002枚のうち3090枚を採掘機購入契約の担保として差し入れていることが明らかになった。保有量の38.6%に当たり、今後は各契約の償還期に資金をどう手当てするかが焦点となる。

ブロックチェーンメディアのCryptoSlateが4日(現地時間)に報じた。

ABTCが担保に充てたビットコインは、Bitmain製採掘機の購入に関連するものだ。同社は償還請求権と経済的持分を維持しているため、対象のビットコインを引き続き貸借対照表上の資産として計上している。

各契約では、償還期間の終了前に現金で代金を支払えば、担保に入れたビットコインを維持できる。一方、期限を過ぎると当該ビットコインは設備購入代金に充当され、資産計上から外れる。

ABTCは2025年にHut 8とAmerican Data Centersが設立した。発足時点ではHut 8が持ち分の80%を保有し、エリック・トランプ氏は共同創業者として最高戦略責任者(CSO)を務めた。

第2四半期の開示資料によると、担保設定したビットコインの帳簿価額は1億8490万ドル。これに対し、固定負債に分類された採掘機購入債務は3億7170万ドルだった。

もっとも、前者は6月30日時点のビットコインの公正価値で、後者は設備購入と償還契約に伴う会計上の負債に当たる。このため、同社は両者を単純比較できないとしている。

担保設定した3090BTCの大半は、2025年に複数回に分けて差し入れた計2776BTCで構成される。各契約の償還期間は、担保設定日からおおむね24カ月とされる。

また、2026年2月に締結した別の契約には、採掘機1万1298台が含まれる。契約額は約4940万ドルで、ABTCはその80%相当について314BTCを担保として提供した。

この契約では、残る20%を設備出荷から1年後に支払う。支払い手段は現金のほか、あらかじめ定めた下限価格で評価したビットコイン、またはその併用としている。

314BTCを差し入れた契約にも、約24カ月の償還期間に加え、任意で12カ月延長できる条項が付いている。

市場の関心は、ビットコイン価格の変動がいつ実際の対応を迫るかに向かっている。ただ、契約上の判断時点を決めるのは価格ではなく、あくまで償還期間の到来だ。

開示条件によれば、ビットコイン価格が変動しても、自動的に処分や追加対応が生じる仕組みにはなっていない。ただし、弱気相場が長引けば準備資産の価値が目減りし、ビットコインを維持するために現金を投じる経済合理性は変わり得る。

ABTCは第2四半期業績も公表し、米国会計基準ベースで5720万ドルの純損失を計上した。

内訳は、デジタル資産関連損失が7120万ドル、デリバティブ利益が1830万ドル、減価償却費および無形資産償却費が2820万ドル。ただ、純損失の数字だけでは同社の資金繰りは判断できない。

実際の資金は株式市場で調達した。ABTCは市場内売却プログラムを通じてクラスA株215万株を売却し、調整後ベースで3360万ドルの純調達額を確保した。

この結果、発行済み株式数は前四半期比で約3%増えた。一方で、ビットコイン保有量は14%増加し、1株当たりのサトシ数も11%伸びた。

今後ABTCが迫られる判断は明確だ。各償還期ごとに現金を支払って担保に入れたビットコインを維持するのか、それとも対象分を設備代金として引き渡すのかを選ぶ必要がある。

今後の注目点は、ビットコイン相場そのものよりも、各契約の償還期がいつ到来するか、そして同社にどこまで資金余力があるかに移る見通しだ。

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