Ethereumの需要構造が、取引所内の投機売買からステーキングやDeFiなどオンチェーンでの活用へと移りつつある。取引所が保有するEthereum残高は減少基調が続き、新規ステーキングの待機量は240万ETHを超えた。DeFi貸出市場の持ち直しやスマートコントラクト展開の増加もこうした流れを裏付けている。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが4日(現地時間)に伝えたところによると、クジラ投資家による取引所からの出金とステーキングが増える一方、DeFi貸出市場にも回復の兆しが出ており、取引所内のEthereum保有量は減少傾向を保っている。
米国の投資需要の鈍化は、Coinbaseプレミアム指数からもうかがえる。同指数は2026年に入って以降、マイナス圏で推移する場面が大半だった。Ethereumの未決済建玉も113億7000万ドル規模にとどまり、投機的な売買需要の強さは限定的だったことを示唆している。
一方で、オンチェーン需要は拡大している。DeFi貸出市場が持ち直す中でも、Ethereumは主要な担保資産としての地位を維持した。米国の機関投資家やデジタル資産を財務資産として保有する企業の需要は鈍化したものの、世界各地のプロジェクトはBinanceでEthereumを調達した後、取引所外に移し、ステーキングやオンチェーン活動に充てているという。
ネットワーク活動も増えている。Ethereumでは2026年4〜6月期に新規スマートコントラクトのデプロイが増加し、7月最終週には50万件超のコントラクトが新たにデプロイされた。ガス代の低下が、こうした活動拡大を下支えしたとみられる。7月末時点では、デプロイを行った主体の数も1万4900まで増えた。
Ethereumは、各種トークンやトークン化証券、ラップドBitcoin、実物資産連動型のRWAにとって、決済レイヤーとしての役割も維持している。レイヤー2の活動は鈍化したものの、ステーブルコインが再びEthereumメインネットへ戻る動きもみられる。売買が活発だったトークンとしては、DAI、SHIB、CRO、PAXG、ONDO、USDTが挙げられた。
取引所外へEthereumを移す動きは、特にクジラ投資家の間で目立っている。直近では、あるクジラが11万2000ETHを引き出し、Beacon Chainのステーキングコントラクトへの送金を始めた。BitMineも15万120ETHをステーキングし、財務保有分の87%超をロックしている。
もっとも、クジラ投資家が一斉に強気へ転じたわけではない。個人投資家と比べれば相対的に弱気姿勢を保っているが、引き出されたEthereumがステーキングやオンチェーン活動へ向かう流れは鮮明になっている。
ステーキング関連の指標も、この変化を裏付ける。Ethereumのバリデーターの出金待機量は6.6ETHにとどまる一方、新規ステーキングの待機量は240万ETHを超えた。現金化よりも、報酬獲得を目的に長期でロックする需要が大きいことを意味する。
取引所別の価格動向にも変化が出ている。CoinbaseよりBinanceでEthereumに高いプレミアムが付く場面が増えており、米国の機関投資家主導の需要が弱まる一方、グローバル投資家やプロジェクト主導の買いが相対的に強まった可能性がある。
足元のEthereum市場では、単純な値戻りの有無よりも、市場で吸収されたEthereumがどこに向かうかが重要になっている。DeFi貸出の回復、ガス代の低下、新規ステーキング待機量の増加は、Ethereumが再びオンチェーン流動性と担保市場の中核資産として使われ始めていることを示している。