Samsung Electronicsは8月4日(現地時間)、米カリフォルニア州サンタクララで開幕した「FMS(Future of Memory and Storage)2026」で、AIインフラ向けの次世代3Dメモリー技術を披露した。次世代アーキテクチャ「zHBM」「zNAND-O」のモックアップを公開したほか、基調講演では400層超の「V10 BV-NAND」も初めて紹介した。
同社は会場内に約20坪の展示スペースを設け、AIクラウドサーバーをイメージしたブースで約30製品を展示した。初日の同日午前11時40分には、Flash開発室のイ・ジニョプ副社長とDRAM開発室のキム・ギョンリュン常務が、「3Dメモリー・ストレージアーキテクチャ革新」をテーマに基調講演を行った。
講演では、zHBMやzNAND-Oを軸に、HPC(高性能コンピューティング)やAIインフラ需要の拡大に対応する技術構想を説明した。AIシステムの性能向上と電力効率の改善に向けた方向性を示した格好だ。
zHBMは、大容量かつ高帯域幅のメモリー需要が高まる中で、従来のHBMだけでは将来的な性能要件への対応に限界があるとの認識を踏まえた次世代アーキテクチャ。従来のようにAIアクセラレーターの横にHBMを配置するのではなく、AIアクセラレーターの上部にHBMを垂直に積層する構成を採る。
これにより、アクセラレーターとメモリー間のデータ移動距離を最小化し、帯域幅と電力効率を高めるという。zHBMを適用した次世代インターフェースシステムでは、HBM5比で最大8倍の性能向上を見込む。さらに、電力効率は最大3倍に改善し、熱抵抗は半分以下に抑えられるとしている。
zNAND-Oは、既存のV-NANDの垂直積層技術にTSV技術を組み合わせた製品だ。セルと回路を分離して製造した後、垂直接合する構造を採用し、4段または8段の半導体チップを3Dパッケージとして構成する。製品名の「-O」は、オンデバイスAI環境への最適化を意味する。
あわせて公開したV10 BV-NANDは、ウエハーボンディング技術と3スタック技術によって400層超の積層を実現した。集積度は前世代比で約58%向上したという。Samsung Electronicsは、13年前に同イベントでV-NAND技術を世界で初めて発表して以降の技術蓄積を反映した成果だとしている。
展示ブースではこのほか、HBM4E、HBM5、LPDDR5X-PIM、PM1763など、次世代メモリー/ストレージ製品群も紹介した。同社によると、2月にHBM4を業界で初めて量産出荷し、5月にはHBM4Eのサンプルを世界で初めて顧客に供給したという。
今回のイベントでは、新たな熱管理技術「HPB(Heat Path Block)」を適用したHBM5のモックアップも公開した。Samsung Electronicsは、メモリー、ロジック、ファウンドリー、パッケージングを網羅するワンストップソリューションを提供するIDMとして、製品設計から量産までを一貫して支援し、開発期間の短縮と性能・電力効率の最適化につなげるとしている。