写真=Red Hat

Red Hatは4日(現地時間)、AIガバナンスのポリシー要件を運用統制に変換するオープンソースプロジェクト「asago(AI Safety and Governance Orchestration)」を立ち上げた。SiliconANGLEによると、ポリシー要件をAIシステムに適用可能なデプロイ設定に落とし込むことを狙う。

asagoは、コンプライアンス担当、データサイエンティスト、インフラ管理者にまたがっていた作業を単一のワークフローに集約する。ポリシーの解釈、リスク評価、安全対策の推奨、デプロイ設定の生成を自動化し、各統制がどの要件に基づくのかをたどれる監査証跡も残す。

Red Hatは、企業が生成AIの実証段階を超え、本番運用や自律型エージェントの導入に進むにつれ、こうした仕組みの必要性が高まっていると説明した。ガバナンス要件を、エンジニアリング現場で必要となるテスト、ガードレール、インフラ設定に落とし込む難易度が上がっているためだ。

同社は、ポリシーを人手で解釈し、個別にスクリプト化する従来手法では、デプロイの遅延や人的ミスにつながりかねないと指摘した。

asagoは4段階の標準ワークフローで構成される。まず、組織のガバナンスポリシーを解釈し、米国立標準技術研究所(NIST)のAIリスク管理フレームワーク、OWASPの「Top 10 for LLM Applications」、EU AI法などの基準にマッピングする。この過程ではIBM AI Risk Atlasを活用する。

次に、個別のユースケースに応じた安全性テストを生成・実行する。結果に基づいてリスク低減策やガードレールを推奨し、その根拠を記録する。最後に、こうした統制をハイブリッドクラウドやKubernetes環境に直接適用できるデプロイ設定へ変換する。出力形式として、Kubernetes、Terraform、Ansibleに対応する。

IBM ResearchでAIプラットフォーム担当バイスプレジデントを務めるプリヤ・ナグプルカール氏は、AIが実運用で信頼を得るには、測定可能なテストと運用統制が必要だと述べた。IBMはasagoコミュニティーを通じ、ガバナンスフレームワークと実際にデプロイされたAIシステムの間にあるギャップを埋めるための知見を提供しているとも語った。

asagoにはRed Hatのほか、Alchemy AI、Brave Software、Eve-Eve Coalition、IBM Research、University of Applied Arts Vienna Interdisciplinary Transformation University、Microsoft、MIT Lincoln Laboratory、North Carolina State University、NVIDIA、Alan Turing Instituteが参加する。同プロジェクトは、Red HatとNVIDIAがOpen Secure AI Allianceを通じて進めてきた取り組みを基盤としている。ソフトウェアはApache License 2.0で公開し、現在はプロジェクト立ち上げ段階にある。

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