Kioxia Holdingsは3日、子会社のKioxiaとKioxia Americaが米国の特許訴訟で約2億2900万ドル(約344億円)の損害賠償を命じられたと発表した。争点となったのは、Viasatが保有するNANDフラッシュメモリ向け誤り訂正技術の特許。Kioxia Holdingsは判決を不服として、控訴を含むあらゆる法的手段を検討する方針を示した。
米テキサス州西部地区連邦地裁は7月31日、陪審評決を踏まえ、Kioxia側に同額の損害賠償の支払いを命じる判決を下した。陪審団は7月16日、Kioxia側に約2億2900万ドルの賠償責任があるとの評決を出していた。
訴訟は、米衛星通信会社Viasatが2021年11月29日に提起した。Viasatは、NANDフラッシュメモリの誤り率低減に関する自社特許をKioxiaが侵害したと主張していた。
陪審団は、KioxiaのNANDフラッシュメモリ製品が、消費電力の抑制や信頼性・寿命の向上に関わるViasatの特許技術を侵害したと認定した。争点となったのは、NANDフラッシュの並列誤り検出を含む順方向誤り訂正技術に関する米国特許第8,615,700号だ。
この特許を巡っては、特許審判院(PTAB)での審理を経て、一部請求項が無効と判断された一方、争点となった請求項16は有効とされた。
さらに2025年12月には、米連邦巡回控訴裁判所(CAFC)が、請求項16を含む残る請求項に関するPTABの判断を支持した。今回の陪審評決は、こうした手続きを経て示されたものだ。
審理は7月13日に始まり、Viasatが7月14日、Kioxiaが7月15日にそれぞれ最終弁論を行った。陪審団は翌16日午後に評決を出した。
Kioxia Holdingsは判決直後、「Viasatの主張と今回の判決は受け入れられない」として強く反発した上で、必要に応じて控訴を含む法的対応を取る考えを改めて示した。
今回の訴訟は、NANDフラッシュ業界に広がる特許紛争の一例でもある。ViasatはKioxiaに加え、Western Digitalに対しても同様の特許侵害訴訟を起こしており、業界への影響が注目される。
Kioxia Holdingsは、今回の判決による顧客向け製品・サービスの提供への影響は限定的と説明した。
財務面では、すでに引当金を計上している。Kioxia Holdingsは2027年3月期第1四半期決算で、訴訟に関連して発生する可能性のある費用や損失を見積もり、約2億2900万ドルを訴訟引当金として計上したと明らかにした。
今後、開示が必要な事項が生じた場合は、別途公表するとしている。
陪審評決が伝わった7月17日には、東京株式市場でKioxia Holdings株が取引開始直後に急落し、ストップ安まで売られた。6月に取引時間中の上場来高値を付けて以降、株価はその半値を下回る水準まで下落したという。