Strategyのマイケル・セイラー会長が、ビットコイン(BTC)の買い増し再開を示唆した可能性が出ている。2026年4〜6月期(第2四半期)に82億2000万ドル(約1兆2330億円)の純損失を計上したと公表した直後、自身のSNSに「Bitcoin Drive engaged」と投稿したためだ。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが2日(現地時間)に報じた。市場が注目したのは、巨額損失の開示直後にこのメッセージが発信された点にある。
第2四半期の赤字は、本業の悪化によるものではなく、ビットコイン価格の下落に伴う会計上の評価損が主因とみられる。この3カ月でBTC価格は6万8000ドルから一時5万8600ドルまで14%下落し、同社の保有資産価値を大きく押し下げた。
同社の保有BTCは84万3775BTC。最大供給量の4%超に相当する規模だ。平均取得単価は1BTC当たり7万5653ドルで、足元のBTC価格が6万3500ドル前後で推移していることを踏まえると、評価ベースの未実現損失は100億ドル(約1兆5000億円)を超える計算になる。
Strategyは直近まで防御姿勢を強めていた。7月初旬には配当原資の確保を目的に、2億1840万ドル(約328億円)相当のBTCを売却した。これまで掲げてきた「決して売らない」という方針から初めて外れた事例とされ、市場では流動性確保に向けた措置と受け止められた。
一方で、今回の投稿の背景には、むしろ財務余力の拡大があるとの見方も出ている。Strategyは相場下落局面で転換社債残高を18%減らし、67億ドル(約1005億円)に圧縮した。現金保有は過去最大の37億5000万ドル(約5625億円)まで積み上がったという。
さらに、すぐに活用可能な現金は32億2500万ドル(約4838億円)としている。
こうした財務基盤を踏まえると、セイラー氏の投稿はビットコインの買い入れペースを再び引き上げるシグナルとも受け取れる。加えて、同社には最大235億3000万ドル(約3529億円)規模の新株を追加発行できる余地もある。
もっとも、確保している資本手段を実際にBTC購入に振り向けるかどうかは、現時点では明らかになっていない。
焦点は損失額そのものより、今後の資金配分に移っている。Strategyは短期的な価格下落で巨額の評価損を計上したものの、セイラー氏の発信からは従来の戦略を後退させていない姿勢がうかがえる。
同社が約2年分の資金余力を確保したとされるなか、割安圏とみる水準でBTCを再び大きく買い増すのか、市場の関心が集まっている。