Rippleの名誉CTOを務めるデイビッド・シュワルツ氏が、XRP Ledger(XRPL)の障害発生時に自ら状況を確認し、開発陣と連携していたことを明らかにした。Rippleの日常業務から退いた後も、XRPLへの関与が続いている可能性が浮かび上がった。
ブロックチェーンメディア「U.Today」が1日付で報じたところによると、シュワルツ氏はX(旧Twitter)上で「以前のように数時間働き、チームと再びZoomで話せて楽しかった」と投稿した。
シュワルツ氏は2025年9月、RippleのCTOとしての日常業務から退き、同年末をもって経営の第一線を離れると発表していた。当時は、XRP Ledgerのノードを自ら構築・運用しており、それを活用した新たな研究も続けていると説明していた。
今回の発言は、Rippleでの退任がそのままXRPエコシステムからの離脱を意味するわけではないことを改めて示した格好だ。
発端となったのは、XRPLネットワークで最近発生した異常事象だ。X上である利用者が、シュワルツ氏が自身のHubを通じてネットワークを監視していた点に触れ、「Rippleを離れただけで、XRPを離れたわけではない」と投稿。これに対し、シュワルツ氏が前述のように応じた。
この投稿は短文ながら、ネットワーク障害の対応過程で開発陣と直接やり取りし、一定の技術支援に関与した可能性を示すものとして受け止められている。
実際、シュワルツ氏は7月31日、自身のHubで問題が発生したと公表した。それによると、交渉プロセスで「onReadMessage: No message of desired type」というエラーが発生し、ピア接続を喪失。その後、ネットワーク接続も切断されたという。
XRPL分析プラットフォームのxrpl.toも、同様の問題がネットワーク全体で発生していたと明らかにした。単一ノードの障害ではなく、XRPL全体に影響が及んだ事象だったことになる。
その後、XRPL開発陣はバージョン3.2.1を配布し、問題を解消した。今回の更新では、7月31日に確認された「manifest flood」の脆弱性修正が中心となった。従来は、未確認の検証者キーから送られたマニフェストをノードが制限なく保存・再送できたが、3.2.1ではこれを防ぐため4つの制限が追加された。
シュワルツ氏が修正作業にどの程度直接関わったかは明らかになっていない。ただ、障害発生直後に「以前のように数時間働いた」と述べ、開発陣とビデオ会議を行ったことも明かしており、ネットワーク安定化の過程に一定程度関与した可能性がある。
XRP Ledgerの共同設計者の1人であるシュワルツ氏が障害対応の局面で再び存在感を示したことで、同氏の退任をXRPエコシステムとの完全な決別とみていた一部の見方は修正を迫られそうだ。
今回の一件は、XRPLの運用安定性に加え、主要設計者による非公式な技術支援がなお続いている可能性を示す事例としても注目される。今後、シュワルツ氏がどのような形でXRP Ledgerの開発や運用に関わるのか、引き続き関心を集めそうだ。