シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物市場で、レバレッジファンドの純ショートが5566.5BTC縮小したことが分かった。ただ、同じ時期に資産運用会社も持ち高を圧縮しており、ビットコイン現物ETFや無期限先物の動向にも力強さは見られない。先物市場の変化だけで相場の強気転換を判断するのは難しいとの見方が出ている。
CryptoSlateが2日、米商品先物取引委員会(CFTC)の先物関連統計をもとに報じた。7月21日から28日にかけて、レバレッジファンドの純ショートは目立って縮小した。
内訳を見ると、標準のビットコイン先物では純ポジションが1076枚分改善し、ビットコイン換算で5380BTC相当の売り越し縮小となった。マイクロビットコイン先物でも純ポジションが1865枚分改善し、186.5BTC相当の純ショートが減少した。CMEでは標準先物1枚を5BTC、マイクロ先物1枚を0.1BTCとしている。
一方で、資産運用会社も同期間にエクスポージャーを落とした。方向性のネットポジションは2204.3BTC分縮小した。標準先物は428枚、ビットコイン換算で2140BTC減少し、マイクロ先物も643枚、64.3BTC減った。
もっとも、レバレッジファンドのショートは単純な下落方向への投機とは限らない。現物と先物を組み合わせた裁定取引や、他の持ち高に対するヘッジの一部である可能性もある。このため、今回の統計だけで方向性取引なのか、ベーシス取引なのか、ロールオーバーを伴うものなのかを判別するのは難しい。
限月シフトを示唆するデータもある。CMEが7月30日に公表した清算価格は、7月限が6万4775ドル、8月限が6万5085ドル、9月限が6万5335ドルだった。同資料では、7月限の建玉が1日で1942枚減少した一方、8月限は1838枚、9月限は507枚増加した。こうした動きはロールオーバーやベーシス取引の可能性と整合的だが、COT統計の集計後に公表されたデータであり、トレーダー区分別のポジション変化を直接説明する材料とは言い切れない。
現物市場とデリバティブ市場の双方でも、明確な強気シグナルは確認されていない。7月29日にGlassnodeのデータを引用した分析では、無期限先物市場で買い圧力やロング側の資金調達需要が後退した。ビットコイン現物ETFでも、7月28日までの4取引日で5億2650万ドルが純流出した。
7月29日にはビットコイン現物ETFに3210万ドルが再び流入したものの、先行する流出分を補うには至らなかった。レバレッジファンドのショート縮小だけをもって、現物市場とデリバティブ市場の地合いが強気に転じたとみるのは難しい。
今回のCFTC統計は、レバレッジファンドの純ショートが一定規模で縮小したことを示した。ただ、資産運用会社も同時に持ち高を減らしており、統計自体も先物市場の動きしか映していない。機関投資家全体がビットコインに対して強気へ傾いたと結論付けるのは時期尚早で、今後は先物のショート縮小がビットコイン現物ETFへの資金流入や無期限先物の需給改善につながるかが焦点となる。