Coinbaseのブライアン・アームストロングCEO(写真=TechCrunch/Wikimedia Commons)

米上院の夏季休会まで残り7日となる中、Coinbaseのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)は、暗号資産規制を巡る「クラリティ法案」の早期採決を上院に求めた。法案は最終局面に入っているものの、可決に必要な60票の確保にはなお至っていない。

ブロックチェーンメディアのu.todayが30日(現地時間)に報じたところによると、アームストロング氏は議会関係者と面会した際の写真を公開し、「明確なルールはほぼ整った。いまはゴール目前だ」との認識を示した。その上で、法案策定を「真の超党派の取り組み」と評価し、「いまこそ「クラリティ法案」を進めるべきだ」と訴えた。

焦点は採決日程だ。暗号資産業界の法整備を後押しする側は、上院が夏季休会に入る前の1週間で合意をまとめる必要がある。ただ、手続き上の遅れを乗り越えて法案を成立させるには60票が必要で、現時点ではその水準に達していない。

上院では、行き詰まった協議を打開するための最終調整も続いている。関係筋によると、ティリス上院議員とガイェゴ上院議員は、倫理条項を巡る新たな折衷案を最近まとめた。この案は停滞していた法案協議を再始動させる材料として注目されているが、詳細は明らかになっておらず、ホワイトハウスの承認も残っている。

「クラリティ法案」は5月14日、上院銀行委員会を15対9で通過した。ただ、上院本会議での最終採決にはまだ持ち込まれていない。今後1週間で最終合意に至らなければ、採決は秋以降に持ち越される可能性がある。

市場と業界が同法案の行方を注視するのは、今後の暗号資産市場の枠組みが、議会による包括立法で定まるのか、それとも規制当局主導のルール整備に委ねられるのかが分かれ目になるためだ。Coinbaseは議会による包括的な法整備に期待を寄せる一方、米証券取引委員会(SEC)は別の対応も視野に入れている。

SECのポール・アトキンス委員長は、議会が「クラリティ法案」を可決できなかった場合、SECが既存権限を活用して暗号資産市場のルールを独自に整備する考えを示している。ただ、アトキンス氏自身も、このルートはより望ましい選択肢ではないと認めている。政権交代のたびに揺らがない基盤を築くには、議会を通じた包括法の成立が必要だとの判断だ。

米国の暗号資産規制の方向性は、この1週間の上院審議に左右される公算が大きい。上院が最終的な折衷によって60票の壁を超えるのか、それとも法案が秋以降に先送りされ、SEC主導の規制シナリオが現実味を帯びるのかが当面の焦点となる。

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