ウォール街で売り込まれていた企業向けソフトウェア株が決算をきっかけに急反発するなか、急落したAIインフラ株も次の反発候補になり得る――。CNBCが29日、ジム・クレイマーの見方として報じた。
クレイマーは、足元のソフトウェア株の急反発について、ウォール街の見方がいかに短期間で変わり得るかを示した例だと指摘した。
同氏によると、今月は企業向けソフトウェア株が持ち直しを鮮明にした一方、データセンター関連株は大きく売られた。「かつて敬遠されていた企業向けソフトウェア株は目に見えて回復した一方、データセンター関連株は大きく崩れた」としたうえで、「下げが進むほど投資妙味は高まり、一度でも良い決算が出ればセクター全体の流れが反転する可能性がある」と語った。
企業向けソフトウェア株は2026年上期、AIモデルがSaaS(Software as a Service)の収益構造を揺るがしかねないとの懸念から売り圧力にさらされてきた。もっともクレイマーは、22日に発表されたServiceNowの決算を転機に、投資家心理が変わり始めたとみている。
その後、ServiceNowとSalesforceの株価はそれぞれ約22%、15%上昇した。ただ、いずれも年初来ではなお大幅安の水準にある。
クレイマーは今回の反発について、低迷していたセクターに好材料が出た際、投資家がいかに素早く見方を変えるかを示したと評価した。「少し前まで企業向けソフトウェアにはかなり批判的だった」と振り返ったうえで、「あるセクターがそれ以上下げなくなった時点で注目すべきだ」と述べた。
同氏は、こうした構図がAIインフラ株にも当てはまる可能性があるとみる。年初に大きく上昇していたAIインフラ関連銘柄の多くが足元で急落しており、同様の心理変化が最終的にデータセンター関連株でも起こり得るという。
具体例として挙げたのがVertivだ。Vertiv株は5月14日の高値から約40%下落している。クレイマーは、従来の指標で見れば割安感は乏しいものの、調整がさらに進めばバリュエーション面の魅力は増す可能性があるとの見方を示した。
また、ServiceNow、Salesforce、Adobeの反発を支えた資金や投資家の関心が、いずれデータセンター関連株に戻る可能性があるとも語った。「ServiceNowやSalesforce、Adobeの反発を後押しした要因は、再びデータセンター銘柄に向かう可能性がある。前提条件が整えば十分あり得る」と述べた。
今後の焦点は決算だ。クレイマーの発言は、セクター選好が短期間で入れ替わる局面では、急落したAIインフラ株も業績改善や想定外の好材料をきっかけに見直される余地があることを示している。企業向けソフトウェア株の反発がデータセンター関連株にも波及するかどうかは、各社の次回決算と投資家心理の変化にかかっている。