MegazoneCloudは7月30日、量子ソフトウェア企業QubitStackと提携し、同社の量子回路シミュレーター「QXel」を提供すると発表した。オンプレミスとSaaS型の両方式で展開し、企業や教育・研究機関の量子アルゴリズム開発を支援する。
QXelは、QubitStackが開発した高性能な量子回路シミュレーターだ。従来の計算環境で課題となっていたメモリ制約を、補助記憶装置へのオフロード技術で緩和する。量子コンピューターの実機がなくても、仮想環境上で量子アルゴリズムを設計し、性能を検証できるとしている。
このオフロード技術では、GPUメモリと補助記憶装置を組み合わせた階層型メモリ構成を採用する。これにより、シミュレーション可能な規模を最大43量子ビットまで拡大できるという。MegazoneCloudは、高価な量子コンピューターを自前で整備しにくい企業や教育・研究機関でも、安全かつ低コストな環境で量子アルゴリズムの試験・検証を進められるようになり、導入コストと技術的負担の軽減につながるとみている。
QXelは、IBMやAmazonなどが提供する主要な量子開発ツールとの互換性を備える。自動分割、階層型メモリ設計、マルチノード拡張技術にも対応し、大規模な量子演算を支える拡張性を持つ。
両社は今後、顧客企業の社内システム向けオンプレミス版と、クラウド基盤上で利用できるSaaS型サービスとしてQXelを提供する計画だ。
MegazoneCloudは今回の提携を機に、国内外でQXelの営業活動、市場調査、グローバルマーケティング、プロモーションを担う。製品導入企業向けの技術支援も提供し、安定運用を後押しする方針だ。
MegazoneCloudのキム・ドンホCQOは「量子コンピューティング市場が本格的に成長するには、企業や研究機関が大きな初期投資なしに量子アルゴリズムを開発・検証できる環境が必要だ」とコメントした。その上で「QXelを基盤に、オンプレミスとクラウド、HPC、AIインフラをつなぎ、顧客の導入障壁を下げながら実運用事例を広げていく」と述べた。