AirPodsの長時間使用では、性能よりも音量と使用時間の管理が重要だという。写真=Shutterstock

AirPodsなどのイヤーバッドを長時間使い続ける習慣が、聴力低下のリスクを高める可能性がある。Engadgetが28日(現地時間)に報じた。

イヤーバッドは長時間使用しても、耳への負担が蓄積していることを自覚しにくい。問題は、こうした利用が日常生活の幅広い場面に浸透している点だ。朝にポッドキャストを聴き、通勤中に音楽を流し、仕事ではオンライン会議でも使うなど、1日を通して装着するケースが増えているという。Engadgetは、多くの利用者が勤務日を通じてAirPodsを着けていても、そのリスクを深刻に受け止めていないと指摘した。

こうした使い方で目安となるのが「60-60ルール」だ。音量は最大の60%以下に抑え、連続使用は1回60分以内にとどめるという考え方で、大音量に長時間さらされるほど聴力への負担が大きくなることを踏まえた基本的な目安とされる。

聴力低下を巡る懸念は、すでに公衆衛生上の課題にもなっている。世界保健機関(WHO)は、娯楽目的で大音量にさらされることによって、10億人を超える若年層が永久的な聴力喪失のリスクに直面していると報告している。Engadgetも、聴力の損傷は蓄積し得るとし、痛みや不快感がなくても長期にわたって大音量にさらされれば問題が深刻化しかねないと伝えた。

米国立聴覚・コミュニケーション障害研究所は、青少年の最大17%に、すでに騒音性難聴の兆候がみられると推計している。イヤーバッドやヘッドホンの利用が、日常的な習慣にとどまらず、実際の健康問題につながり得ることを示す数字だ。音楽、動画、ゲーム、通話などの音声接触時間が若年層で長くなるなか、リスク管理の重要性は一段と高まっている。

Engadgetは、ヘッドホンやイヤーバッドの使用に伴う聴力低下を公衆衛生上の問題と位置付けた。「60-60ルール」が広く知られるようになった背景にも、こうした懸念があるとしている。将来、世代全体が何を聞かれても「え、何?」と聞き返すような事態を避けるための、最低限の予防策だと説明した。

利用者には、バッテリーの持続時間や装着感だけでなく、音量と使用時間をあわせて管理する姿勢が求められる。仕事や移動、余暇までイヤーバッドを使う生活では、無意識のうちに積み上がるリスニング時間が、より大きなリスク要因になり得るためだ。

「60-60ルール」は、特別な機器や追加費用なしにすぐ実践できる。音量を抑え、途中で耳を休ませる習慣を持つことが、聴力を守る第一歩になる。ワイヤレスイヤーバッドの利用が広がるなか、基本的な対策として改めて意識する必要がありそうだ。

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