画像=Zcash(ZEC)

Zcashは7月29日、メインネットで「Ironwood」アップグレードを有効化し、従来のシールドプール「Orchard」への新規入金を停止した。既存資金はTurnstileを介して新環境へ移行する必要がある。

ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、Zcash Open Development Lab(ZODL)は、今回のアップグレードがブロック高342万8143で有効化されたと公表した。

これにより、Orchardは実質的に払い出し中心の運用へ移行した。Orchardに残る既存資金を「Ironwood」に移すには、境界区間に設けられたTurnstileを経由しなければならない。プロトコル側では、Orchardが受け入れた総額を超える払い出しが発生しないよう上限も設けた。

今回のアップグレードの主眼は、Orchardの脆弱性への対応にある。Shielded Labsの研究員テイラー・ホーンビー氏が5月末、この脆弱性を発見し、開示手続きに沿って報告した。Zcash側はその後、緊急ネットワークアップグレードで修正を完了しており、脆弱性が悪用された痕跡や不正な残高変動は確認されていないとしている。

利用者は、Orchardにある資金を各自のウォレットからIronwoodへ移す必要がある。ZODLが提供するウォレット「Zodl」の最新版「Zodl 3.8.0」はIronwoodに標準対応しており、新たなウォレットやアドレスを作成する必要はないという。既存のOrchard資金はアプリ内で手動移行できるほか、プライバシーに配慮した自動移行機能も近く提供する計画だ。

アップグレードには、Shielded Labs、Project Tachyon、Valor Group、Zcash Foundation、ZODLなど複数の独立チームが参加した。ウォレット事業者や取引所、ノード運用者も日程に合わせてシステム対応を進めたとしている。

ネットワークソフトの移行も同時期に重なった。従来のフルノードソフト「Zcashd」は7月18日にサポートを終了しており、新ソフト「Zebra」への集約は、Orchardの脆弱性が判明する前から進められていた長期計画だった。今回のアップグレードは、脆弱性対応とノード運用体制の再編が同時に実施された事例といえる。

今後は、利用者の資金移行の進捗に加え、ウォレット事業者や取引所がどこまで追加対応を進めるかが焦点となる。ZcashはOrchardへの新規入金を止める一方で、既存資金のIronwood移行を段階的に進めている。自動移行機能が導入されれば、既存利用者の負担は一定程度軽減される見通しだ。

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