写真=Bosch。Boschはミッドドライブに加え、都市型eバイク向けハブモーター市場にも製品展開を広げる。

Boschは、都市型eバイク向けの後輪ハブモーター「Hub Line」と薄型バッテリー「PowerTube 360」を発表した。これまでプレミアムeバイク向けのミッドドライブを主軸としてきた同社が、価格競争力とシンプルな構造が重視される都市型市場にも対象を広げる形だ。

Electrekが6月18日に報じた。Boschは今回の発表で、自社のスマートシステム対応をハブモーター製品群にまで拡大した。

Boschはこれまで、高価格帯のeバイク市場でミッドドライブモーターを中心に事業を展開してきた。一方、ハブモーターは都市型電動自転車で広く採用されてきた方式だが、同社は本格展開していなかった。従来は電動スクーターや電動モーターサイクル向けの大型ハブモーターに注力していたためだ。

Hub Lineは、都市部での通勤利用を想定した軽量設計が特徴。最大トルクは45Nm、重量は2.3kgとした。複数の車載センサーを用い、走行状況やライダーのスタイルに応じて出力を最適化する。信号待ちからの発進では滑らかな加速を支援し、緩やかな上り坂では自然なペダルアシストを実現するという。

変速系との連携も強化した。Hub Lineは電子変速システムとの組み合わせを前提とし、オートマチックギアボックスとの連動にも対応する。モーターと駆動系がリアルタイムで協調することで、走行効率と使い勝手の向上を図る。

外観面では、都市型自転車のデザインになじむ構成を採用した。モーターハウジングの直径は100mmで、後輪周りでも目立ちにくい設計とした。組み合わせるバッテリーとしては「PowerTube 360」を用意する。PowerTube 360はBoschの既存製品の中で最も薄いバッテリーで、重量は2.1kg、幅は68mmとなる。

Boschによると、Hub LineとPowerTube 360を組み合わせた場合、ペダルアシスト走行距離は最大80km。実際の走行距離は、地形や踏力、アシストモードによって変動する。

盗難対策も強化する。Boschは更新版の「ConnectModule」もあわせて発表した。GPS、セルラー通信、動体検知、警告音機能を組み合わせることで、自転車の盗難リスク低減を狙う。GPS信号が届きにくい地下駐車場や建物内では、Bluetooth LEによる追跡で位置確認を補完する。

これらの接続機能は、Boschのサブスクリプションサービス「Flow+」およびスマートシステムのエコシステムに統合される。これにより、従来はミッドドライブ製品で提供してきたコネクテッドeバイクの体験を、ハブモーター搭載モデルにも広げる。

Bosch eBike SystemsのCEO、クラウス・フライシャー氏は「Hub Lineを中心とした新製品群により、都市型eバイクの新たな時代を切り開く」とコメントした。さらに「軽く俊敏で現代的なデザインを備えるだけでなく、都市での走行体験そのものを変える」と述べた。

今後の焦点は価格帯となる。ハブモーターを採用した都市型eバイク市場は価格感応度が高い。Bosch製品はこれまでプレミアム価格帯のイメージが強かっただけに、メーカー各社がHub Lineをどの価格帯の製品に採用するかが普及のスピードを左右しそうだ。一方でBoschは、信頼性、接続性、盗難対策を前面に打ち出し、都市型eバイク市場の開拓を進める構えを示した。

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