韓国政府が、実世界で自律的に判断・行動するエージェンティックAIの中核技術開発に乗り出す。科学技術情報通信部と情報通信企画評価院(IITP)は30日、総額180億ウォン(約19億8000万円)を投じる「実世界能動行動型エージェンティックAI技術開発」事業を開始したと発表した。
同日、両機関はAI・ソフトウェア(SW)マエストロソウルセンターで着手報告会を開いた。
同事業は、政府がこのほど公表した「エージェンティックAIイニシアチブ」の中核課題に位置付けられる。デジタル空間と実世界をまたいで、人の介在を10%以下に抑えながら複雑な業務を自律的に計画・遂行できる技術の確保を目指す。
科学技術情報通信部は、環境との相互作用、ツールの活用・生成、段階ごとの計画修正と自己フィードバック、長期記憶と文脈理解、マルチエージェント協調、安全性検証など、従来型AIエージェントの限界を補う中核技術を開発する方針だ。
事業には、NC AI、MedicalPark、SimSimi、VENGを主管機関として、産学研の計26機関が参加する。主な開発課題は、画像取得から分析、読影レポート作成までを担う「エージェンティックAI乳房超音波」と、企業のERPやメール、カレンダーなどを連携して業務を処理する「エージェンティックAIデジタル業務同僚」だ。
このほか、利用者の状況を把握して情緒面や生活面の支援を提供する「日常同行・共感型同僚」と、モデルコンテキストプロトコル(MCP)ベースのマルチエージェントシミュレーターも開発する。
政府は今年から1年6カ月にわたり、総額180億ウォンを支援する。2027年末の段階評価で優秀課題1件を選定し、さらに1年間の追加支援を通じて、グローバル市場を狙う製品・サービスの開発につなげる。最終的には、実環境で動作し事業化が可能な技術成熟度(TRL)7相当の試作品として実装する計画だ。
科学技術情報通信部のイ・ジンス人工知能政策企画官は「AIが実環境で判断し、実行できるようにする中核技術の確保が重要だ」としたうえで、「国内のエージェンティックAIの技術競争力を高め、イノベーションを主導できるよう後押ししていく」と述べた。