Samsung SDIは7月30日、2026年4〜6月期(第2四半期)決算を発表し、売上高は3兆7688億ウォン(約4146億円)、営業利益は2038億ウォン(約224億円)だった。営業黒字は7四半期ぶり。AIデータセンター関連需要の取り込みや高付加価値製品の販売拡大が寄与した。
売上高は前年同期比18.5%増、前四半期比5.4%増だった。
営業黒字となるのは2024年7〜9月期以来。2025年4〜6月期は3978億ウォンの営業損失、2026年1〜3月期も1556億ウォンの営業損失だったが、今四半期は黒字転換した。
当期純利益は4716億ウォン(約519億円)。前四半期の561億ウォンから740.5%増加し、前年同期の1667億ウォンの純損失から黒字に転じた。親会社株主に帰属する純利益は3422億ウォン(約376億円)だった。
2026年上期累計では、売上高が7兆3452億ウォン(約8080億円)、営業利益が482億ウォン(約53億円)となった。前年同期は8319億ウォンの営業損失だった。Samsung SDIは、2026年の目標としていた業績のターンアラウンドを上期中に前倒しで実現したとの認識を示した。
主力の電池部門は、売上高が3兆5190億ウォン(約3871億円)で前年同期比18.8%増、営業利益は1593億ウォン(約175億円)となり黒字転換した。
増収要因としては、UPS(無停電電源装置)やBBU(バッテリーバックアップユニット)、電動工具向け高出力電池、欧州向けEV用電池の販売拡大を挙げた。
収益性の改善については、高付加価値製品の販売増に加え、米国での現地生産拡大に伴うAMPC(先端製造生産税額控除)の効果、関税還付が寄与したと説明した。
電子材料部門の売上高は2498億ウォン(約275億円)、営業利益は445億ウォン(約49億円)だった。売上高は前年同期比14.5%増、営業利益は34.8%増。半導体向け材料の販売が堅調に推移したほか、折りたたみスマートフォン向けフィルム材料が売上高と採算を押し上げた。
上期業績の改善をけん引したのは、AIデータセンター向け需要の拡大だ。電力用ESS(エネルギー貯蔵装置)やUPS、BBU向けの高出力製品が中心となった。
ESS分野では受注基盤も広がった。差別化した角形電池の競争力と現地生産能力を武器に、米国の主要ESS顧客と長期供給契約を締結。韓国の次世代配電網ESSプロジェクトでも受注を獲得した。
EV用電池では顧客層を拡大した。Mercedes-Benzの新規プロジェクトを受注し、BMW、Audiに続いてドイツの主要プレミアム完成車ブランド3社すべてを顧客に持つ体制になったという。ハイブリッド車向け円筒形電池のプロジェクトも業界で初めて受注したとしている。
電動工具向け高出力電池の販売増に加え、業界最高水準のエネルギー密度を掲げるEV用角形電池の投入も重なり、稼働率は上昇した。
将来の成長分野への布石も進めた。高成長が見込まれるヒューマノイドや宇宙航空分野で主要顧客との協力を拡大したほか、半導体向け新規パッケージング材料では顧客ポートフォリオの多様化を進めた。
同社は下期も業績改善が続くとみている。米国では再生可能エネルギーの拡大とAIデータセンター投資の増加を背景に、電力用ESSやUPSの需要が急伸していると判断。現地サプライチェーンの構築と角形LFP電池の量産準備を進める。
韓国では、国産SCM(サプライチェーンマネジメント)と生産拠点の優位性を生かし、関連プロジェクトへの参画拡大を図る。UPS需要への対応に向けて生産能力も増強する方針だ。
ナトリウムイオン電池については、寿命、出力、安全性を強みに中長期で成長が見込めるとし、UPSおよび電力用ESS向け製品の開発を進めるとともに、量産計画の具体化を急ぐ。
EV用電池は、米国で需要減速が続く一方、欧州では主要国の補助金拡充と高止まりする原油価格を背景に需要増を見込む。大衆車向けの供給拡大とLFP電池プロジェクトの受注に注力する。
小型電池は、BBUと電動工具市場の需要拡大に加え、ヒューマノイドや宇宙航空など新市場の成長に対応し、高出力円筒形電池の生産能力を拡大する。電子材料部門では、市況改善を追い風に、半導体向け新規パッケージング材料とディスプレー向け高付加価値フィルム材料の販売を伸ばす考えだ。
同社関係者は「当初は下期のターンアラウンドを見込んでいたが、売上高の成長と収益性の改善が想定より早く進み、黒字転換の時期が前倒しになった」とコメントした。その上で「持続的な規模成長と収益性の確保を引き続き進める」としている。