ビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインのオンチェーン指標に下値警戒を示す動きが出ている。長期的な底値の目安とされるCVDDモデルは、今サイクルの下値メドとして4万8000ドル近辺を示した。SSRRもレッドゾーンに入り、市場では6万ドル台を維持できるかが焦点となっている。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが17日に報じたところによると、足元の調整局面で投資家の損失圧力が強まり、オンチェーン指標にも過去の底値局面に近いシグナルが現れ始めた。

ビットコインは6月5日に一時6万ドルを割り込み、2月安値の6万130ドルも下回った。その後は6万4000ドル台まで持ち直したが、今回の下落は一時的な押し目にとどまらず、市場心理の悪化を印象づけたとの見方が出ている。

CryptoQuantのアナリスト、アクセル・アドラー・ジュニア氏は、6月初旬の下落局面でSSRRの動きに注目したと説明した。同指標は前回サイクル以降で初めてレッドゾーンに入ったという。

SSRRは、含み益にあるビットコイン供給と含み損にある供給を実現時価総額と比較する指標だ。レッドゾーンは、含み損にあるコインの価値が含み益にあるコインの価値に接近する、あるいは上回る局面を示す。

アドラー氏は、こうした変化が保有者のストレス拡大を映しているとみる。SSRRのレッドゾーン入りは底打ちを意味するものではないが、ビットコイン相場が楽観優位の局面から、相応の含み損と警戒感を抱える局面へ移行したことを示すと指摘した。2019年と2023年にも同様の条件が見られ、その後により大きな回復局面が続いたとも述べた。

市場の関心は、SSRRに加え、より直接的な下値推定ツールとされるCVDDモデルにも向かっている。CVDDは、オンチェーンで移動したコインの価値と保有期間をあわせて反映し、ビットコインの長期的なファンダメンタルズ上の底値を測る指標とされる。

アドラー氏は、ビットコイン価格が歴史的にみてCVDDラインを明確に下回る水準で、意味のある期間にわたって終値を付けたケースは少ないと説明した。

現在のCVDDラインは4万8300ドル近辺とされる。6万5000ドル水準からの乖離は約25%。CVDDラインは時間の経過とともに緩やかに上昇し、各サイクルの底値も切り上がってきたという。

アナリストのアリ・マルティネス氏も同様の見方を示した。同氏は16日、直近の大きな相場の底は価格がCVDD水準に到達した時点で形成され、そこが新たな強気相場の出発点になったと明らかにした。足元でも同指標は4万8000ドル近辺に位置するとしている。

今後の焦点は、ビットコインがストレスシグナルが初めて点灯した価格帯を上回って推移できるかどうかだ。強気シナリオでは、6万ドル台を維持したままSSRRがレッドゾーンから段階的に離脱する展開が想定される。この場合、含み損状態の供給が減少し、売り圧力の緩和を示す可能性がある。

一方で、ビットコインが再び安値を切り下げ、SSRRがさらに悪化した場合、市場の視線は4万8000ドル近辺のCVDDラインへ急速に移る可能性がある。現サイクルでは、ビットコインがまだ同水準まで下落したことはない。今後の値動きは、6万ドル台を守れるかどうかに加え、損失を抱えた供給の滞留が減少に向かうかが左右することになりそうだ。

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