米CNBCが12日(現地時間)に伝えたところによると、ジム・クレイマー氏は、SpaceXの上場成功が米市場の投資家心理を改善し、人工知能(AI)関連企業の新規株式公開(IPO)を後押しする可能性があるとの見方を示した。
クレイマー氏は、SpaceX上場をめぐる市場の強い関心に加え、今週予定される主要なマクロ経済指標の発表、米連邦準備制度理事会(FRB)の定例会合、NASDAQ100指数のリバランスなどを注目材料として挙げた。短期的には相場変動を高める一方、中長期ではリスク資産選好を強める可能性があるとみている。
SpaceXは6月12日の上場初日の取引を1株161ドルで終え、時価総額は約2兆1000億ドルとなった。これを受け、市場では他の大型テクノロジー企業の資金調達動向にも改めて関心が集まっている。
クレイマー氏は、今月初めに非公開で上場申請書を提出したAIスタートアップのAnthropicに言及。さらに、Microsoft、Meta、Amazonなどについても、Alphabetの例のように追加の株式発行に動く可能性が高まったと分析した。
また、地政学リスクの後退も相場の上昇要因になり得ると指摘した。中東で和平合意が現実味を帯びれば、原油価格の下落とインフレ圧力の緩和を通じて、リスク資産全般の追い風になるとの見立てだ。
今週公表される主要経済指標も、FRBの金融政策を左右する材料として注目される。6月16日の住宅着工件数と17日の小売売上高について、クレイマー氏は景気減速のシグナルを強める可能性があるとし、結果次第では利下げ観測を後押しするとの見方を示した。
最大の焦点として挙げたのは、6月17日に予定されるFRB会合と、新議長ケビン・ウォッシュ氏の初会見だ。クレイマー氏は、景気の先行き不安が続くなか、ウォッシュ議長が利下げ方針を正式に打ち出す可能性があるとみている。
同日に発表される企業決算にも注目が集まる。Krogerについてはコスト負担の強まりを、Accentureについては生成AIの普及に伴う従来型コンサル需要の鈍化を、それぞれ見極める材料になるとした。
6月18日はNASDAQ100指数のリバランス前の最終取引日に当たる。ポートフォリオ調整に伴い、相場の変動性が高まる可能性がある。今回の見直しではRocket Lab、Astera Labs、Teradyne、Nebius、CoreWeaveが新規採用され、Verisk、Cognizant、Insmed、Zscaler、Charter Communicationsが除外される。指数連動ファンドによる大規模な売買が集中し、個別銘柄の値動きが大きくなる可能性があるという。
SpaceX上場による投資家心理の改善、AI関連銘柄への資金シフト期待、FRBの政策イベント、NASDAQ100のリバランスが重なることで、今週の米株市場は短期的な値動きの荒さと中長期の方向感を同時に探る展開となりそうだ。