ビットコインは6万5000ドル近辺が意識されている。写真=Shutterstock

ビットコイン相場が下落するなかでも、機関投資家の買い意欲はなお強いようだ。Coinbaseの機関投資家戦略責任者ジョン・ダゴスティノ氏は、ファミリーオフィスや国富ファンドが6万5000ドル台を買い場とみていると指摘した。現物ETF残高も約1000億ドル規模を維持しており、相場の下支え要因として意識されている。

ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、ダゴスティノ氏はCNBCの番組「Squawk Box」に出演し、ビットコインに対する機関投資家の需要は弱まっていないと述べた。

同氏は、ファミリーオフィスや国富ファンドが現在の価格帯を前向きに受け止めていると説明した。「昨年の過去最高値である12万5000ドル台の局面でも歓迎していたが、6万5000ドルではさらに積極的だ」と語った。

ビットコインは先週土曜日、一時5万9200ドルまで下落し、2024年10月以降の安値を付けた。2024年10月に記録した高値からは大きく下げているものの、Coinbaseは機関マネーの流出を示す兆候は限定的だとみている。

その根拠の一つが現物ETFの動向だ。ダゴスティノ氏は「価格は高値から約50%下落したが、個人投資家の現物ETF保有残高の減少は約15%にとどまった」と説明。足元でも現物ETFのエクスポージャーは約1000億ドル規模を維持しているとした。急落局面でもETF保有が大きく崩れていない点について、機関・個人の双方に下値での買い支え需要があるとの見方を示した。

企業による買い増しの動きも続いている。Strategyは6月1〜7日に1550BTCを約1億ドル(約150億円)で購入したと公表した。平均購入価格は1BTC当たり6万5332ドル。資金には、クラスA普通株140万9600株の売却で確保した1億8100万ドル(約271億5000万円)を充てた。

今回の購入は、Strategyが5月末に32BTCを売却して以降、初の買い戻しとなる。当時は、2022年12月以来となる売却報道を受けて、市場では同社のビットコイン戦略に変化が生じるのではないかとの懸念も広がった。

一方、分散型金融(DeFi)プロトコルAaveのルイジ・ドノリオ・デメオ氏は、マイケル・セイラー氏がX(旧Twitter)に追加購入を示唆するチャートを投稿していた点に言及。32BTCの売却は、指数組み入れ要件を満たすための「心理戦」だった可能性があるとの見方を示した。

政策面も機関投資家の関心を支える材料とされる。ダゴスティノ氏はワシントンでの立法動向に触れ、Coinbaseを含む200超のデジタル資産関連企業・団体が同日、米上院指導部に対し、暗号資産の市場構造法案「Clarity法」の本会議採決を求める書簡を送付したと紹介した。価格調整に加え、制度整備の進展可能性も投資判断材料になっているとの見方だ。

レバレッジリスクについては、「過度なレバレッジを積み上げた大手機関は見当たらない」との認識を示した。「大口保有者は市場に追加資本を投じる余力が十分ある」とも述べ、足元の下落が強制清算による連鎖不安に発展する可能性は大きくないとみている。

相場下落時に市場が注視するのは、機関マネーが流出に転じるかどうかだ。現時点では現物ETF残高が1000億ドル前後を保ち、Strategyも買いを再開した。価格調整局面で機関投資家の需要がどこまで相場を支えるかが、次の焦点になりそうだ。

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