AI導入の拡大で、生成コードの検証や修正に伴う追加コストが課題となっている。写真=Shutterstock

企業がAI導入によって開発生産性を高める一方で、実運用では想定を上回る追加コストが発生していることが分かった。AIが生成したコードのバグ修正や書き直し、レビューの遅れなどにより、エンジニアリング費用全体の最大82%が手戻り対応に充てられたとする調査結果も示された。

ブロックチェーン系メディアのBeInCryptoが28日、こうした内容を報じた。AI導入で開発効率の向上が期待される半面、本番運用の段階では検証負担や組織再編に伴うコストが急速に膨らんでいるという。

Entelligence AIが2444社を対象に実施した調査によると、企業はAIトークンに1ドル(約150円)を投じるごとに、平均0.44ドル(約66円)をバグ修正に充てていた。さらに0.27ドル(約41円)はAI生成コードの書き直し、0.11ドル(約17円)はコードレビューやマージの遅れに伴うコストとして発生していた。AIの成果物を人手で補修する工程だけで、総コストの82%を占めた計算になる。

AIコードの品質に対する不信感も根強い。Lightrunの「2026年AIベースのエンジニアリング実態レポート」によると、品質検査を通過したAI生成コードの43%は、本番環境で追加の手動デバッグが必要だった。

調査対象となったエンジニアリング責任者のうち、導入した成果物を「全面的に信頼している」と答えた人はいなかった。BeInCryptoは、CoinbaseのAI導入事例やCardanoのAIコード分離戦略も、同様の傾向を示していると伝えた。

AIインフラ拡大に伴う財務負担も重くなっている。OracleはAIデータセンターの増強に向け、総負債が約1080億ドルに達した。さらに2026年に入ってから、負債と資本調達で500億ドルを追加で確保したという。

一方、フリーキャッシュフローは約130億ドルのマイナスだった。

Oracleの受注残高5530億ドルのうち、3000億ドル超がOpenAI関連契約にひも付いている点も、負担要因として指摘された。OpenAIは昨年、約140億ドルの損失を計上したとされる。市場では、AI需要の拡大を見込んだ大規模な先行投資が、実際の収益性につながるかに注目が集まっている。

組織運営の在り方にも変化が広がっている。OKXの最高経営責任者(CEO)、スタックス・シュイ氏は、AIエージェントの普及が単なる自動化にとどまらず、人材評価の基準そのものを変えつつあると明らかにした。

同氏は「AI時代には人材要件そのものが変わっている」と述べ、AI活用能力が従業員評価に直接反映され始めていると説明した。

業界では、AIが業務支援ツールの枠を超え、採用や組織運営の基準まで再編しつつあるとの見方が出ている。6月に予定される主要ビッグテック各社の決算発表やエンジニアリング指標は、AI投資拡大と実際の収益性との隔たりがどこまで縮小したかを見極める重要な材料となりそうだ。

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