Fordが小型SUV「Escape」の生産を終了し、将来的に電気自動車(EV)として車名が復活するのではないかとの見方が出ている。次世代EVプラットフォームを活用した小型電動SUVに「Escape」の名を引き継ぐ可能性が取り沙汰される一方、後継モデルの詳細は明らかになっていない。
CleanTechnicaによると、Fordは米公式サイトでEscapeについて「一時停止」と案内している。恒久的な廃止とは明記していないことから、将来的な車名復活の余地を残したとの受け止めが広がっている。
EscapeとLincoln「Corsair」は、昨年12月に米ケンタッキー州のルイビル工場で生産を終了した。Fordは同工場を次世代EV向けの生産設備へ切り替えている。
一方、在庫車の販売は続いている。ただ、2026年型Escapeは排出ガス認証の問題により、カリフォルニア州やニューヨーク州など6州では購入できない。Fordは代替車種として「Bronco Sport」と「Explorer」を案内している。
こうした観測の背景には、Fordの新たなEV商品戦略がある。FordはユニバーサルEVプラットフォームをベースに、中型電動ピックアップトラック「Fathom」を2027年に投入する計画だ。開始価格は2万8350ドル(約425万円相当)としている。
さらに、同プラットフォームの次の車種として小型電動SUVが想定されており、そのモデルに「Escape」の車名を使う可能性も指摘されている。
もっとも、EVとしての復活を断定する材料は乏しい。8月には、Fordが2029年にガソリン車とハイブリッド車のパワートレインを採用した普及価格帯SUVを投入するとの報道が米自動車業界で伝わった。Ford経営陣がディーラーに対し、ハイブリッド戦略を維持する方針を説明したとの見方もある。
電動版Escapeの開発観測は2022年から続いているが、事業化の可否はなお不透明だ。Fordが新たな電動SUVに「Escape」の名を与えるのか、それとも内燃機関車またはハイブリッド車で後継を位置付けるのか。今後の新車戦略が焦点となる。