Samsung Electronicsは10月29日、2026年7〜9月期の連結営業利益が107兆4405億ウォンになったと発表した。メモリ価格の上昇と高帯域幅メモリ(HBM)「HBM4」の販売拡大を追い風に、四半期営業利益として初めて100兆ウォンを突破した。一方、スマートフォンなどのセット事業は、部品コスト上昇が収益の重荷となった。
売上高は195兆2532億ウォンで、前年同期比127%増。営業利益は同783%増だった。営業利益率は55.0%と、前年同期の14.1%、前四半期の52.2%から上昇した。前四半期比では、売上高が13.9%増、営業利益が20.1%増となった。
パク・スンチョルCFOは同日のカンファレンスコールで、「メモリの過去最高業績を背景に、4四半期連続で売上高、営業利益とも過去最高を更新し、世界のテック企業で初めて四半期営業利益100兆ウォンを突破した」と述べた。2026年1〜9月累計の営業利益は254兆1657億ウォンで前年同期比980%増、累計の営業利益率は50.8%と、前年同期の9.8%から大きく改善した。
業績をけん引したのは、デバイスソリューション(DS)部門だ。メモリ事業ではHBM4の販売拡大に加え、サーバー向けDRAMとSSDの需要増を取り込み、四半期ベースで過去最高を更新した。AIインフラ需要が供給を上回るなか、7〜9月期の平均販売価格(ASP)はDRAMが前四半期比で約20%、NANDが10%台後半それぞれ上昇した。出荷ビット数量の伸びは1桁台にとどまり、利益拡大は価格上昇の寄与が大きかった。
ファウンドリー事業部は、4ナノのHBMベースダイの売上増と先端プロセス拡大を背景に、前四半期比で増収となり、収益も大きく改善した。2ナノの受注も、大手ハイパースケーラーを含む高性能計算(HPC)顧客を中心に増えている。第4四半期についても、前四半期比、前年同期比ともに2桁の売上成長を見込むとした。
カン・ソクチェファウンドリー事業部副社長は、「足元では、先端プロセスの生産能力の増強ペースが実需の拡大に追いついていない」と説明した。システムLSI事業も、下期の新モデル向けシステムオンチップ(SoC)採用拡大と、2億画素イメージセンサーの販売増を追い風に増収基調を維持した。カスタムSoC事業では新規案件も受注した。
モバイルエクスペリエンス(MX)事業部は、「Galaxy Z Fold8」など新製品の投入で前年同期比では増収となった。ただ、メモリ価格の上昇はセット事業にとって部品コスト増として作用した。プレミアム製品の投入やコスト削減で収益性は前四半期比で改善したものの、改善幅は限定的だった。
ダニエル・アラウジョMX事業部常務は、「AIサーバー向けのメモリ需要拡大により、モバイル向けメモリの供給は昨年第4四半期から逼迫しており、価格上昇基調が続いている」と述べた。
Samsung Displayは、主要顧客向けに新製品を適時供給したことで、中小型パネル事業の売上高と利益が増加した。大型事業も、ハイエンド製品の販売拡大とコスト削減により損益が改善した。一方、ドルやユーロなど主要通貨の下落は、部品事業を中心に前四半期比で約10兆ウォンのマイナス要因になった。
Samsung Electronicsは、事業部門ごとの強弱が第4四半期以降も続くとの見方を示した。パクCFOは、「2027年は記録的なAI投資と供給制約を背景に、半導体市況の強さが続くとみている」としたうえで、「DS部門の強い成長モメンタムを踏まえれば、2026年を上回る業績が期待できる」と語った。
一方、デバイスエクスペリエンス(DX)部門は、来年も収益性への圧迫要因が続くと見込む。第4四半期についても、市場の不確実性とコスト上昇圧力が続くと判断している。このためMX事業部は来年、最上位モデルを軸に収益構造の改善を進める。Samsung Displayは、折りたたみ端末向けなどプレミアム製品の構成比を高めるとともに、8.6世代のIT向け有機EL(OLED)新ラインの稼働を通じて販売拡大を図る方針だ。