Binance(写真=Shutterstock)

暗号資産交換所大手のBinanceで出金再開後、約9時間半にわたり36億4000万ドル(約5460億円)が純流出した。ブロックチェーンメディアのCoinPostが2日、報じた。これは、Binanceが10月28日時点で示していた預かり資産総額1710億ドルの2.1%に相当する。

Binanceは1日午後3時から出金を段階的に再開した。同日午後9時36分までに、第1弾として15のネットワーク・銘柄の出金再開を終えた。1日午後3時から2日午前0時30分までの出金額は46億4900万ドル、入金額は10億1000万ドルだった。

同社は、再開直後に集中した出金需要は想定通り鈍化しているとの認識を示した。Binanceは「出金量は初期の急増後、想定通り減少して安定化している」と説明。「入金も引き続き相応の規模を維持している」としたうえで、「市場は安定している」との見方を示した。

今回の出金再開は、10月29日に発生した不正アクセスを受けて停止していたサービスの復旧対応の一環だ。Binanceは被害額を約63億ドルと見積もっており、このうち約30億ドル相当の資産はブロックチェーン上で凍結したとしている。損失については、ユーザー保護基金「SAFU」と自社資金で全額補償する方針だ。10月31日には、補償に向けて63億4000万ドル超の自社資金を確保したと明らかにした。

追加対応として、準備金証明の更新も予告した。準備金証明は、取引所が顧客から預かった資産に見合う準備資産を保有しているかを外部から検証できる仕組み。Binanceはゼロ知識証明を活用し、個別ユーザーの残高を開示せずに総負債と準備資産を照合できる形で運用している。

新たなスナップショットは10月31日午前9時に取得した。現在はゼロ知識証明の計算を進めており、更新したレポートは2日に協定世界時(UTC)ベースで準備金証明サイトへ公開する予定だという。残るネットワークと銘柄についてはテストを継続しており、次の再開日程は準備が整い次第案内するとした。

日本法人のBinance Japanも別途対応した。Binance Japanは10月30日、顧客資産への影響は確認されていないとしつつ、予防措置として暗号資産の出金を一時停止した。一方で、入金と取引、日本円の入出金は通常通り提供した。その後、11月1日に出金を順次再開すると告知した。

今回の資金移動は、不正アクセス直後に懸念されていた大規模流出の実態を示す初期データとなる。Binanceはまず第1弾の対象サービスから復旧を進めており、今後は準備金証明の更新と追加ネットワークの再開を通じて、正常化の範囲を広げる見通しだ。利用者資金の流れがその後どう推移するかも注目される。

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