LG CNSは11月2日、インドネシア・ジャカルタで30MW級の人工知能(AI)データセンターを竣工したと発表した。韓国企業が海外顧客向けAIデータセンターを現地で直接構築した初の事例だとしている。
このプロジェクトは、インドネシアのSinar Masグループと韓国投資リアルアセット運用による合弁会社KMGが昨年発注した。LG CNSによると、開業前の時点で受け入れ容量の全量に相当する顧客を確保したという。
同データセンターは、次世代GPUを用いる高性能コンピューティングに対応できるよう設計した。発熱量の大きいAIサーバーに対応するため、空冷と液体冷却を組み合わせたハイブリッド冷却方式を採用した。
第1フェーズでは空冷式冷却システムを導入し、後続フェーズで液体冷却システムを追加する計画だ。あわせて、1ラック当たり300kW以上を供給できる電力システムも整備した。これは一般的なデータセンターラックの約60倍に当たる水準という。電力インフラは冗長化し、主電源の供給が途絶えた場合でもバックアップ電源を利用できるようにした。
事業には、LGグループ各社の技術を組み合わせた「One LG」の統合ソリューションを適用した。LG CNSのデータセンター設計・構築・運用(DBO)に、LG Electronicsの空調システム、LG Energy Solutionのバッテリー技術を組み合わせ、電力・冷却・エネルギーインフラを一体で提供した。
LG CNSは現在、後続フェーズの構築に向けた設計を進めている。全フェーズが完了すれば、受電容量は400MW規模まで拡大する見通しだ。
同社は今回の実績を足掛かりに、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、日本などアジア太平洋地域でAIデータセンター事業を拡大する方針だ。
韓国内では、既存のコロケーション事業とDBO事業に加え、プレハブ型モジュールデータセンター、GPUサブスクリプション(GPUaaS)、液体冷却インフラへと事業領域を広げている。今後は、AIプラットフォームやサービスまで含めた「AIファクトリー」事業も推進する。
ヒョン・シンギュン社長は「今回のインドネシアでのAIデータセンター構築は、国内で蓄積してきたデータセンターの力をグローバル市場で実証した成果だ」とコメント。「これを足掛かりに、アジア太平洋をはじめグローバル市場でAIデータセンターとAIファクトリー事業を拡大していく」と述べた。