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カザフスタンが、米中いずれにも偏らない実利重視の姿勢でAI産業の育成を急いでいる。豊富なエネルギー資源を生かしてデータセンターを呼び込み、計算資源を新たな輸出産業に育てる構想を打ち出した。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が11月1日付で報じた。カザフスタンは首都アスタナを中心に、AIインフラの拡充と専門人材の育成を進めている。資源輸出国から中央アジアのAI拠点への転換を目指す戦略の一環だ。

先月23日にアスタナを訪れたNVIDIAのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、カザフスタンのジャスラン・マディエフ副首相兼AI・デジタル開発相と、ソブリンAIをテーマに対談した。ソブリンAIは、国家が自国のデータとインフラを基盤にAI能力を確保する考え方を指す。

フアンCEOは、データセンターを電力とデータをもとに知能を生み出す「AI工場」と位置付け、カザフスタンの成長余地は大きいとの見方を示した。

人材育成も同時に進めている。アスタナの国際AIセンター「Alem.ai」では、無料のコーディング・AI教育機関「Tomorrow School」や、若年層向けのデジタル創作教育施設「TUMO Astana」を展開する。スタートアップ支援拠点「Astana Hub」も、地場テック企業の成長を後押ししている。

こうした動きには、米中の競争構図も色濃く映る。アスタナ市内ではBYDやChanganなど中国自動車ブランドの存在感が高まる一方、AIインフラの整備では米NVIDIAの半導体技術が中核を担う。カザフスタンは両国の強みを取り込み、独自の技術エコシステムの構築を狙う。

今後の焦点は持続性の確保だ。データセンターは投資と電力供給の裏付けがあれば拡大できるが、高度人材やイノベーション企業を継続的に生み出す土台づくりには時間がかかる。AIインフラの増強が、そのまま技術的自立につながるとは限らない。エネルギー大国のカザフスタンが、AI技術の輸出国へと変貌できるかが注目される。

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