大規模ハッキングという悪材料が出たにもかかわらず、暗号資産市場は大きく崩れなかった。これを受け、2024年にXRPの700%上昇を予測したアナリストのDonAltは、足元の相場について強気の見方を示した。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが1日(現地時間)に報じたところによると、DonAltはBinanceのハッキング後の値動きを踏まえ、「現時点では弱気シナリオは描きにくい」との見方を示した。
背景にあるのは、悪材料の大きさに比べた相場の底堅さだ。米連邦捜査局(FBI)は、北朝鮮のハッカー組織がBinanceから60億ドル超の暗号資産を奪取したと発表した。
これに対しBinanceは、自己資金などを使って被害額の90%を補填したと公表。その後、補填割合を約95%まで引き上げたとしている。
当時、ビットコインは大きな売り圧力が意識される中でも7万7935ドル前後を維持し、XRPは1.2498ドル近辺で推移した。DonAltは、これほどの悪材料が出た後も追加の売りが広がらなかった点を、重要な強気材料と受け止めた。
DonAltは、現在の状況を2022年11月のFTX崩壊時と比較した。「これほど大きな出来事の後、市場が十分に下落しなかった最後の事例はFTX崩壊だった」と述べた。
さらに「当時は、その後も下落が続かなかったことを受けて非常に強気に傾いた。その後、ビットコインは1万6000ドルから10万ドルまで上昇した」と説明。「同じ構図が再び現れている以上、いま弱気に傾くのは難しい」と付け加えた。
もっとも、DonAltは金融市場に絶対はないとも前置きしている。巨大な悪材料を織り込んでも相場が下落しない場合、長期的には買い手に有利な確率が高まるとの見方だ。重要なのは悪材料そのものの大きさではなく、その後の値動きだとしている。
一方で、この分析には限界もある。根拠がFTX崩壊という単一の事例に依拠しており、両者の性質も同一ではないためだ。
FTX崩壊では顧客資金が事実上恒久的に失われたのに対し、Binanceのハッキングでは取引所側が自己資金などを投じ、被害の大半を補填したとしている。
このため、損失補填が進んだ今回のハッキング後に相場が大きく下落しなかったからといって、それだけで潜在的な強気相場の始まりと断定するのは難しい。市場が状況を合理的に織り込んだ結果である可能性もある。
今後数週間の値動きは、この強気シナリオの妥当性を見極める材料になりそうだ。悪材料が十分に織り込まれ、盗難資金がミキサーなどを通じて移動する局面でも相場が維持されるようなら、強気見通しを後押しする可能性がある。
一方、価格が再び下落に転じれば、追加の売りが出なかった現象はトレンド転換の兆候ではなく、一時的な反応の遅れにとどまっていた可能性もある。