チャンポン・ジャオ氏(CZ) 写真=Shutterstock

Binanceで約63億ドル(約9450億円)のハッキング被害が発生したことを巡り、共同創業者のチャンポン・ジャオ氏(CZ)が、イーロン・マスク氏に対し、SNS上での揶揄を控えるよう求めた。Binanceは盗難資金の一部凍結を進めており、損失は利用者保護基金「SAFU」と会社準備金で補填する方針を示している。

10月30日付のCryptopolitanやTheCryptoBasicなど海外メディアの報道によると、マスク氏は、CZが先に投稿していたセキュリティ注意喚起に対し、炎と笑いの絵文字で反応した。利用者への警告の直後にBinanceで大規模なハッキングが起きたことを踏まえ、皮肉を込めた投稿と受け止められた。

CZは問題の投稿で、メール内のリンクを開いたり添付ファイルをダウンロードしたりしないよう呼びかけていた。信頼する相手からのメールであっても、送信元の端末がマルウェアに感染していれば危険だと説明していた。これに加え、マスク氏はBinanceのハッキングに関する別の投稿にも、しかめ面の絵文字を付けたという。

これに対しCZは、マスク氏に対して「あなたを尊敬しているが、今はからかうような場面ではない」と投稿し、自制と支援を求めた。自身のセキュリティ助言と今回の事件を結び付ける見方については、実際の事案はもっと複雑だと説明。ハッキングでは通常、どこかの段階で侵害された端末やアルゴリズムが関わるとの認識を示した。

CZはあわせて、Binanceが2022年のTwitter買収時に5億ドル(約750億円)を出資したことにも触れた。その際に取得したSPCX株の価値は現在10億ドル(約1500億円)を超えるとした上で、マスク氏に一定の配慮を求めた格好だ。

共同創業者のイ・ホー氏もこのやり取りに加わった。イ氏は、今年の収益で損失は十分吸収できるとして、SpaceX持ち分を売却する必要はないと投稿した。これについてCZは、持ち分売却を示唆した意図はなく、マスク氏も把握しているはずの資産に触れることで懸念を和らげたかったと説明した。

Binanceが推計する今回の被害額は約63億ドル(約9450億円)に上る。初期調査では、DevOpsエンジニアのノートPCが侵害され、攻撃者が社内サービスにアクセスした可能性があるとしていたが、その後、追加の侵害経路も確認されたとしている。

リチャード・テン最高経営責任者(CEO)は、攻撃者が単独のエンジニアの権限だけを悪用したわけではなく、ワンクリックで発生したような単純な事故でもないと説明した。ウォレットの秘密鍵流出を示す事実は確認されておらず、特定の個人に責任を負わせる段階にはないとの見解も示した。

Binanceによると、盗難資金のうち約30億ドル(約4500億円)はすでに凍結した。残る損失については、利用者保護基金「SAFU」と会社準備金で全額補填する方針だ。

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